ココノミのテロワール野菜を使って「だしかけごはん」を作ってみました!
目次
ココノミのテロワール野菜とは?
※自然と人がつくりあげた「テロワール野菜」
ココノミでは、配達している野菜を「テロワール野菜」と定義しています。
優れた生育環境や露地栽培、無農薬・無化学肥料であることをはじめ、他にも厳しい基準を設けています。
「テロワール」とは、生育環境や土壌、気候などを総合的に表現したフランスの言葉。
ワインが好きな方なら聞き馴染みのある言葉だと思いますが、ココノミはその「テロワール」にこだわります。
そのこだわりこそが、野菜が本来持っている「味の個性」を引き立たせるのです。
本当に美味しい野菜を育てる為には、豊富な栄養や生育に適した土壌が必要です。
優れた土壌を作りだすのは、数多くの微生物達。
環境が悪ければ、微生物のバランスが崩れてしまいます。
そのため、環境がよくなければ土地が痩せ、農薬や化学肥料に頼ることになるのです。
だからこそココノミでは、出来た野菜を見るだけではなく、土や水、空気などの周辺環境まで現地に赴いて確認します。
それだけではありません。
その土地に合ったものを育てられる知識と、豊富な経験をもつ農家さんの存在が本当に重要なのです。
露地栽培は厳しい自然環境に晒されるため、栽培がとても難しいもの。
気候や環境の違いに合わせて上手く育てるには、優れた作り手が必要になってくるのです。
自然と人が繋がることで味の個性を伸ばし、農家さんのこだわりが感じられる野菜。
それがココノミの「テロワール野菜」なんです。
「だしかけごはん」をご存知ですか?
※著者の淺野曜子さんは、だしソムリエ1級というだしのプロです
そんなココノミのテロワール野菜をもっと手軽に、もっとシンプルに味わう事ができないかと考えているとき、一冊の本に出会いました。
それが『究極の一膳「だしかけごはん」』。
最初にこの本を手に取ったとき、そんな大層なタイトルをつけてもいいの?と思いました。
ですが実際に読んでみると、その名前に恥じない、というよりも本当に究極ともいえるようなレシピが満載でした。
「だしかけごはん」は名前通り、ご飯にだしをかけるだけの料理です。
お茶漬けやだし茶漬けと一線を画すのは、おかずとご飯をだしで繋ぐという考え方。
和洋中問わず、様々な種類の食材や料理がだしを介することで、1つのお椀の中で四季や風情を醸し出します。
まさに著者の提唱する「日本食の新定番」とも言えるのではないでしょうか。
だしの神髄を知り尽くした著者の提案には、驚きと納得が詰まっています。
しぐれ煮や揚げ物からはじまり、郷土料理にステーキ、さらにはカレー風味まで。
想像を越えるだしかけレシピは、見ているだけで楽しくなってくるものばかりです。
その中には野菜のうま味を活かした、ココノミのテロワール野菜との相性がよさそうなものも数多くありました。
という訳で、今回は色々なだしかけごはんの中から、テロワール野菜にマッチした3つのレシピを作ってみましたので、ぜひご覧ください。
簡単にだしをとってみよう
※だしがあるだけで食卓はとても豊かになります
レシピを紹介する前に、1つだけ。
「だしって取るの面倒くさくない?」という方、結構多いと思います。
しかし和食のだしは海外の料理人から見ると、ビックリするくらいに簡単にできるんです。
それが美味しいと評判になり、フランス料理でも昆布のだしが使われるようになったほど。
例えばフランス料理で使われる基本のスープ「フォン・ド・ボー」は、じっくり焼いた子牛の骨を野菜と煮詰めて作ります。
本格的なものならば丸2日間以上付き添いながら作業することもあるのです。
今回使うだしは、ほったらかしでできたり、実際の作業時間も短く済むものばかり。
しかも他の料理にも使える、本格的なだしです。
最初に取り方から紹介していきますので、ぜひ試してみてくださいね。
冷蔵庫に常備も可!簡単に作れる「だし」3選
※素材を少し入れておくと見分けやすくなります
昆布だし
材料
昆布 30g
水 1000cc
手順1
昆布を濡れた布巾やキッチンペーパーで優しく拭きます。
表面についた埃などを拭う様なイメージです。
※水で洗い流すとうま味成分が流れてしまいます
手順2
キッチンばさみで2~3ヶ所、大きめの昆布であれば4ヶ所ほど切り目を入れましょう。
水を入れた鍋に昆布を入れ、1時間以上おいておきます。
※このまま一晩おいておけば、加熱せずに昆布だしができます
手順3
一時間以上置いたら火にかけます。
火加減は弱火から中火で、鍋の縁がふつふつとしてきたら昆布を取り出して出来上がりです。
※沸騰させるとぬめりが出て、風味も落ちてしまいます
煮干しだし
煮干し 30g(頭とワタをとった状態で)
水 1000cc
手順1
煮干しの頭とワタをとりましょう。
頭の部分を持ち、少し左右にひねってから引き抜くとワタまで取れやすいです。
※大きい煮干しは半分に割くといいでしょう
手順2
頭とワタをとった煮干しをフライパンでから煎りします。
※から煎りする事で香ばしさが加わります
手順3
から煎りした煮干しと水を鍋に入れて、そのまま30分以上浸します。
手順4
強火にかけて、沸騰したら弱火に変えます。
アクを丁寧に取りながら5分ほど煮ていきましょう。
最後にキッチンペーパーなどで濾せば、煮干しだしの出来上がりです。
※濁りやすいので何度かに分けてゆっくりと濾しましょう
干し椎茸だし
干し椎茸 30g(乾燥した状態で)
水 1000cc
手順1
干し椎茸を軽く洗い、分量外の水に5分ほど浸します。
その後、流水ですすぎましょう。
※ホコリや小さなゴミがついていることがあります
手順2
容器に洗った干し椎茸と水を入れ、冷蔵庫で一晩寝かせれば出来上がります。
手早く作りたいときは、洗った干し椎茸をぬるま湯に15分ほど浸けて、レンジで2~3分加熱します。
※だしを取ったあとの椎茸は、昆布と合わせて佃煮にすると◯
テロワール野菜にマッチした「だしかけレシピ」3選!
欧米諸国ではうま味は甘みの一種と考えられており、うま味を表現する言葉がありませんでした。
最近になって″umami″として広がっているそうですが、そう考えるとうま味成分を多く持つだしの奥深さは本当にすばらしいものです。
ですが日本では、若い人達の約4割が「だしを取ったことがない」という統計もあるほどに、だし離れが進んでいます。
これほど美味しいものを知らないのは、もったいないですよね。
どんなものでも、まず本物を味わってみないとその良さが分からないもの。
それは野菜に関しても同じです。
野菜にも旬がありますが、そもそも漢字の「旬」というのは10日間を意味しています。
その文字の通り、本当に美味しい「旬」の時期はとても短いものなんです。
それがこそが、ココノミが季節に応じて野菜を育てている理由でもあります。
今回紹介するレシピに使う野菜は、寒くなってきたこれからの季節におすすめの「旬」のものです。
そしてどの料理も、調理法がシンプルで簡単。
テロワール野菜の持つ魅力がダイレクトに感じられるレシピになっていますよ。
ロースト玉ねぎのだしかけごはん
※干し椎茸のだしが、隠れた主役になっています
最初に紹介するのは、滋賀県で農家をされている原田さんのたまねぎを使ったレシピです。
少し小ぶりですがその分甘みが強く、ローストした時のジューシーさと柔らかさには目を見張るものがあります。
その玉ねぎに合わせるのは、タイムとベーコンの洋風な香りの強い食材。
全体的にあっさりとした味わいですが、具材の香ばしさと椎茸だしの奥深さ、さらにベーコンのコクが合わさってご飯との相性もばっちりです。
材料(2人前)
・煮干しだし 300cc
・干し椎茸だし 100cc
・塩 適量
ご飯 1杯分(お椀に半杯ずつ)
玉ねぎ 1個
ベーコン 2枚
タイム 2~3本
オリーブオイル 適量
レシピ
手順1
硬い皮を剥き、薄い皮を残した玉ねぎを良く洗います。
半分に切ったらラップでくるみ、600wでレンジで2~3分加熱します。
その間に、合わせただしを鍋に入れて温めておきます。
※500wなら様子を見ながら少し長めに加熱しましょう
手順2
ベーコンを細切りにし、アルミホイルの上に並べます。
加熱した玉ねぎとタイムに、オリーブオイルを塗りましょう。
先にベーコンと玉ねぎを、オーブンで焦げ目がつくまで焼いていきます。
※刷毛があると塗りやすいです
手順3
玉ねぎに焼き目が付いたらタイムを入れ、1分ほど焼きます。
焼き上がったら器にご飯を入れ、玉ねぎとベーコン、タイムを盛り付けます。
最後に熱々のだしを流し入れれば出来上がりです!
ほうれん草と豚しゃぶのだしかけごはん
※ほうれん草の美味しさにびっくりすること間違いなし!
続いては奈良県の西前さんが育てたほうれん草と、薄切り豚肉を使ったしゃぶしゃぶ風だしごはんです。
西前さんのほうれん草はそのまま食べても滋味深い味わいが感じられますが、だしで茹でることで甘みとうま味がより際立ちます。
シンプルだからこそ、だしのうま味と素材の味を改めて感じられるレシピです。
だしに加えた唐辛子とにんにくが絶妙なアクセントになり、食べごたえもありますよ。
材料(2人)
・昆布だし 300cc
・酒 100cc
・にんにく 1片
・唐辛子 1~2本
・ほうれん草 4~5茎
・豚肉 100~150g
・ごはん 1杯分
・醤油 適量
手順1
にんにくを包丁でつぶします。
鍋に昆布だし、酒、にんにくと唐辛子を入れて火にかけます。
手順2
だしが沸騰したらまず豚肉を入れ、火が通ったらすぐに引き上げます。
※加熱し過ぎると固くなります
手順3
良く洗ったほうれん草を根から先に入れ、30秒ほど茹でましょう。
全体を鍋に入れてさらに30秒したら取り出して、食べやすい大きさにカットします。
※こうすることで火の通りが均一になります
手順4
器にご飯をよそい、豚肉とほうれん草を盛り付けて、熱々のだしをかければ完成です。
醤油を添えておき、具材を付けながら食べましょう。
中華風ふろふき大根のだしかけごはん
最後は愛知県の竹内さんの大根を使って、中華風だしかけごはんを作りました。
大根はレンジで温めるだけの調理ですが、驚くほどのジューシーさと甘さが出ます。
剥いた皮は捨てずに、良く洗ってから千切りにし、キンピラにすると美味しいです。
甜麺醤のコクが大根の甘みを更に引き立て、煮干しと干し椎茸のだしが味に深みを与えています。
しょうがや花椒、ごま油、黒ごまと、食べる度に変化していく香りの複雑さが面白い1品です。
材料(2人前)
・煮干しだし 300cc
・干し椎茸だし 100cc
・塩 適量
・大根 100g程度
・ご飯 1杯分
・甜麺醤 小さじ2
・ごま油 小さじ1
・しょうがの絞り汁 ひとかけ分
・粉花椒 ひとつまみ(なければ粉山椒でも可)
・黒ごま 小さじ1
手順1
大根は皮を剥き、2cm程度の幅にカットします。
ポリ袋に入れ、レンジで1分30秒~2分ほど加熱しましょう。
串などで刺してみて、柔らかくなっているか確認します。
※600wでの目安です。500wの場合は少し長めにしてください
手順2
甜麺醤とごま油、しょうがの絞り汁、粉花椒を混ぜ合わせて中華味噌を作ります。
手間はかかりますが、粉花椒はホールを砕いて使うと香りが格段に良くなります。
※粉花椒がない場合は、粉山椒で代用します
手順3
合わせただしを鍋で温めておきます。
その間にごはんに黒ごまを混ぜ、おにぎりにしておきましょう。
器におにぎりと大根、中華味噌を盛りつけ、お好みで花椒(分量外)をふりかけます。
最後に熱々のだしを注げば出来上がりです。
まとめ
今回だしかけごはんを作ってまず感じたのは、テロワール野菜との相性の良さに対する驚きでした。
農家さんが自然に対して真摯に向き合って作る「テロワール野菜」と、日本食の歴史を紡いできた「だし」の可能性を追求した著者のレシピ。
丁寧に作られたこの2つの相性の良さは、必然的なものだったのかもしれません。
だしを飲むことで感じられる、豊かな香りやうま味。
野菜を噛むごとに溢れてくる、優しい甘みや深い滋味。
それらがご飯と混ざり合うことで生まれる、心地よい満足感。
そんな懐かしくも新しい、なんとも幸せな体験が1つの器で味わえました。
「だしかけごはん」と「テロワール野菜」、この2つの出会いが生み出した幸福の一膳を、ぜひ堪能してくださいね。