美味しさを追求!兵庫県神戸市で手作りの有機豆腐を作る木村さん訪問

生産者インタビュー

今回ココノミスタッフが訪問させて頂いたのは、兵庫県神戸市で手作りの有機豆腐を作られている木村さんの工場です。スーパーで売られているお豆腐との違いや、お豆腐つくりにかける想いをたっぷり伺いました。

お豆腐のおいしい食べ方もバッチリお伝えします!

兵庫県産の大豆は付加価値が高い

ーー本日はよろしくお願いいたします。

木村さん「よろしくお願いします。」

ーー木村さんのところで作られているお豆腐には、どんな種類があるのでしょうか?

木村さん「昔は有機でも通常の一丁サイズで400グラムくらいと、あと小さい200グラムタイプをやってたんですけど、今は200グラムタイプの一本と、あとおぼろ豆腐を取り扱ってます。」

ーーなるほど。兵庫県産の大豆の特徴はなにかありますか?

木村さん「大豆の生産量は兵庫県は真ん中くらいで、出荷金額で言うと全国2位っていうデータがあるんですけど、そういう高級大豆、価値のある大豆っていうのが、金額ベースではしっかり出ています。もちろん、黒豆が引っ張ってるっていうのはあるんですけど。

でもまあ、通常の大豆の入札なんかも全国でやるんですけれど、兵庫県産大豆って出てこないんですよね。つまり、地元で全部消費されてるっていうことなんです。」

ーーなるほど。

木村さん「もちろん、たくさん作ってるとこは地元で使って溢れた大豆を市場に流すんですけどね。だから、兵庫県産大豆は付加価値がすごく大きいと思います。

逆に黒豆で豆腐つくっても高いだけで売れないんですよ(笑)」

ーーへぇ〜、黒豆でお豆腐を作れるんですね!

木村さん「はい、以前やったことがあるんですよ。御影石にちなんで御影豆腐って名前で出したんですけど、味を知ってもらったらそこそこ買ってもらえるんですけど、やっぱり黒い豆腐っていうのは浸透しにくいですね。やっぱり豆腐って白くて柔らかいものっていうイメージがあるので。

とりあえず、製造工程をご覧になりますか。」

ーーよろしくお願いします。

手作り豆腐の製造工程を見学!

木村さん「これがダブル洗浄といって、ここで一回水と泡でダブルで洗っていきます。」

ーーすごいですね。

木村さん「今ちょうど、大豆が水に浸かっている状態です。浸かっている水の透明度とかを見ていただくと分かりやすいと思うんですけど、大豆の洗浄に力を入れてるので、豆腐のアクが少ないので、透明な水に豆が浸かっている状態ですね。」

ーーなるほど、そこが違うんですね。あれがフライヤーですか?

木村さん「はい、あれがフレイヤーです。」

ーー油は何を使われてるんですか?

木村さん「油は大豆油を使ってます。」

ーーお豆腐の濃度って決めてらっしゃるんですか?

木村さん「濃度は決めてますね。絹ごし豆腐と木綿豆腐の違いってわかりますか?」

ーー正直、固さが違うっていうくらいしか分かってないです(笑)

木村さん「絹ごし豆腐っていうのは、ここで作ってる状態の形のままパックに詰めたお豆腐です。木綿豆腐は、絹ごし豆腐を一回崩して、木綿でくるんで水分を抜くことで、絹ごしよりも味に深みがある豆腐に仕上がるんです。

木綿と絹ごしってスーパーなんかでは同じ値段で売ってるんですけど、木綿のほうが手間が余分にかかってるので、どうしても同じ値段で売ってるのはおかしいというか腑に落ちないところがありますね。」

ーーそうなんですね。全然知りませんでした。

木村さん「豆も生き物なので、その日その日で状態が変わって、柔らかいときも固いときもあるんです。手作り豆腐の良いところは、木綿なんかも人間の手で潰していくので、感覚で均一に仕上がるんです。ロボットで作っているようなところだと、均一な感覚が人の手ほどは分からないので、硬すぎてしまったりすることがあると思います。だから、安価で売ってる木綿豆腐はロボットが作ってるので、あんまりおいしくない場合があると思います。やっぱり手作りのほうが豆腐はおいしいですね。」

ーーなるほど、手作りにはそんな違いがあったんですね。

できたてのお豆腐を試食

木村さん「できたての木綿豆腐です。よかったら召し上がってください。」

ーーありがとうございます!いただきます。

木村さん「まだ温かいでしょ。」

ーーう〜ん、おいしい!

ーー私、木綿豆腐をあんまり買って食べないんですけど、はじめておいしいと思いました!

木村さん「冷奴なんかも、僕らは木綿で食べるのが好きですよ。」

ーーへぇ〜!

木村さん「ただ一般の人っておいしい木綿豆腐を探すのってなかなか難しいと思うんですよね。こういう作り方とか、使ってる大豆なんかでお豆腐の味って全然違うので、一個ずついろんな豆腐を食べるのもしないと思うんです。だからそういう一般消費者の方の代弁者として、ココノミさんで発信してもらって消費者の方に伝わったら良いなと思っています。

だから一概に金額だけで豆腐選びっていうのは、これからは脱却していきたいと思っています。」

ーーなるほどですね。

木村さん「うちは水の循環もかけ流しと言うか、なるべく水を入れ替えようとしてやってます。けっこうお豆腐屋さんによっては、一旦ためた水の中でやられるところもあるんですけど、うちは水の綺麗さにはこだわっていますね。だからこれだけの透明度の水で、こんだけお豆腐を入れている光景っていうのはなかなか見れないんじゃないかと思いますね。」

ーーお豆腐って何センチ何センチなんですか?

木村さん「お豆腐は大体12cm×12cm×4cmくらいですかね。」

ーーなるほど。

フライで一番おいしいのは厚揚げ?!

木村さん「今見て頂いたお豆腐で、揚げにする豆腐は、水切り板の入っている台車に乗せて4階まで運んでいます。」

ーーどれを乗せるかとか、間違えたりしないんですか?

木村さん「だいたい、これからこれ作るって決めて作るので間違えないですね。これが木綿豆腐の厚揚げです。お店で厚揚げって言ってるのはこの木綿の厚揚げになります。」

ーーありがとうございます!いただきます。揚げたてがやっぱりおいしいですね!

木村さん「フライで一番おいしいのは厚揚げやと思います。唐揚げとか色んな揚げ物フライ物あるとおもうんですけど、揚げたての厚揚げが一番おいしいと思います(笑)」

ーーなるほど、たしかに美味しいです(笑)でもお家ではこの味はなかなか出せないかもしれませんね。


木村さん「この皮の甘さとかね。ご家庭でやる場合は、軽く電子レンジでチンしてもらって、オーブントースターなんかで焼いてもらうのが一番皮がパリッとなって美味しいと思いますよ。」

ーーなるほど、試してみる価値はありそうですね!

木村さん「次に絹ごしの揚げです。さっきの木綿の揚げは豆腐を砕いて揚げてるので、味染みがいいのは木綿豆腐の厚揚げです。だからおでんとかに使うのは絶対木綿の厚揚げがおいしいです。普通に生姜醤油で食べたいなってときは、絹ごしの揚げのほうがより味わい深いですね。」

ーーなるほど、そういう違いがあるんですね。

木村さん「揚げたてを食べれるのは豆腐屋の特権ですね(笑)」

ーー(笑)

木村さん「これをそのまま食卓にお届けできたら、もっと需要は上がると思うんですけどね(笑)」

ーーたしかに上がりそうですね!

有機豆腐のおいしさを、もっと広めていきたい

木村さん「僕ら豆腐屋はおいしさはよう知ってるんですけど、伝えるのが下手くそでね。さっきも言いましたけど、そういう僕らの想いみたいなのを伝えていってもらえたらありがたいですね。

こういうお豆腐を子供の頃から食べていれば、しっかりした舌も育つし、なにより身体にも優しいんでね。」

ーーどうやって食べるのが一番おすすめとかってあるのでしょうか?

木村さん「僕はさっき言ったようにレンジで軽くチンして、トースターやフライパンでカリッとするまで焼いて、普段はポン酢ですけどめんつゆや醤油につけて食べてもらっても大丈夫ですね。結構やっぱり、ポン酢はよく合いますね。」

ーーなるほど、ありがとうございます。でも、絹ごしも木綿も同じように揚げてるのに、中が違うだけでこんなに皮も違うんですね。

木村さん「ああ、そうですね。全然ちがいます。厚揚げも色々つくりかたがあって、生地の状態で一晩寝かせてから揚げるものもあるんですよ。一晩寝かせることでどういう特徴になるかと言うと、皮がもっちりやわらかになったりします。僕らのこだわりとしては、うちの厚揚げは皮がけっこうしっかりしてるので、皮の甘みを味わってもらうために作ったその日に揚げるようにしています。もっちり厚揚げとかスーパーで売ってますが、添加物が結構はいっています。

大豆と水だけで作っているお豆腐というのは、日本人の食文化を長く支えてきたんですが、逆にお豆腐ってシンプルだからこそ、これだけ長い時間愛されているんだと思います。だからあまり手を加えるよりも、逆にその単品の美味しさを追求していったほうが、豆腐として生き残っていけるのかなと思っています。」

ーーなるほど、素敵ですね。一人でも多くの消費者様へ届けられるように、私たちも頑張っていきます!本日はどうもありがとうございました。

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