無農薬野菜だから全部安心は間違い!?硝酸態窒素が与える影響とは

豆知識

人間には生活習慣病などの栄養の偏りによる病気がありますが、野菜にも栄養の摂りすぎによる病気が存在するのを知っていましたか?一見健康そうな野菜でも、実は健康状態が悪く、味と風味、食感までもが落ちてしまっていることがあるのです。今回はそんなあまり知られていない野菜の病気についてご紹介します。

無農薬野菜の糖尿病?

野菜が育つために重要な三大栄養素として窒素・リン酸・カリウムが挙げられます。これら3つの栄養素はもちろん十分に与えなければ、健康に育つことは難しいでしょう。しかし、人間と同じように必要以上に摂取してしまうと生活習慣病のような病気にかかってしまいます。

(参考資料:「植物個体における硝酸態窒素利用の仕組み」 著 王子善清)

この野菜の病気は、化学肥料を使って生産される野菜に多く見られるものですが、有機肥料にも三大栄養素は含まれているため、与え過ぎによって無農薬野菜にも起こりうることです。

無農薬野菜の窒素過剰摂取によって起きる症状

窒素過多になると、植物は葉が濃緑色になり、茎や葉が異常に伸び変形しやすくなります。これは、窒素が葉緑素の合成を促進し、細胞分裂を活発にするためです。しかし、この状態は植物の生育を阻害し、野菜の苦味の増加や風味の損失に繋がってしまいます。

生育の不均衡: 窒素過多になると、植物は根の生育よりも葉の生育を優先するため、根が弱り、倒伏しやすくなります。また、果実や種子の生育も抑制され、収量が減少する可能性があります。

病害虫の誘発: 窒素過多の植物は、病害虫に感染しやすくなります。窒素過多の植物は、細胞壁が薄く、柔組織が発達するため、病原菌や害虫の侵入を受けやすくなります。

品質低下: 窒素過多の野菜は、一般的に味が薄く、水分が多く、貯蔵性が低い傾向があります。これは、窒素過多によって糖の合成が抑制され、硝酸態窒素が蓄積されるためです。

(参考資料:「硝酸態窒素のえぐみって?」日本植物生理学学会)

無農薬野菜のリン酸過剰摂取によって起きる症状

リン酸はエネルギー代謝や遺伝情報の伝達など、多くの生命現象に関わっており、リン酸過多になると、栄養に大きな偏りが生まれ、味を大きく変えてしまいます。他にリン酸過多は以下のような影響を与えてしまいます。

生育の抑制: リン酸過多になると、カルシウムや鉄などの他の栄養素の吸収が阻害され、生育が抑制されることがあります。特に、茎や根の生育が阻害され、結果として植物全体の生育が遅れることがあります。

品質の低下: リン酸過多の野菜は、発育状態の悪化から、食感が悪くなる傾向があります。また、硝酸態窒素の蓄積も促進される可能性があり、食品の安全性に問題が生じることもあります。

環境問題: リン酸は、水質汚染の原因となる物質の一つです。過剰なリン酸が河川や湖沼に流出すると、富栄養化を引き起こし、赤潮やアオコの発生を助長します。

(参考資料:「硝酸態窒素のえぐみって?」日本植物生理学学会)

無農薬野菜のカリウム過剰摂取によって起きる症状

カリウムは植物体内の浸透圧調節や酵素活性、養分輸送など、多くの生理機能に深く関わっています。カリウム過多になると優先的にカリウムの吸収がされてしまい、十分な成長に繋がらないことがあります。他にカリウム過多は植物に以下のような影響を与えます。

生育の抑制: カリウム過多になると、リン酸過多状態と同様にカルシウムやマグネシウムなどの他の栄養素の吸収が阻害され、生育が抑制されることがあります。特に、根の生育が阻害され、結果として植物全体の生育が遅れることがあります。

品質の低下: カリウム過多の野菜は、虫への抵抗性を高めるために表面組織を厚くする傾向にあります。そのため一般的に味が薄く、食感が悪くなる傾向があります。また、リン酸過多状態と同様に、硝酸態窒素の蓄積も促進される可能性があり、危険性が懸念されています。

(参考資料:「硝酸態窒素のえぐみって?」日本植物生理学学会)

人体に有害?「硝酸態窒素」とは

硝酸態窒素とは

前段で出てきた硝酸態窒素とは、窒素を含む化合物の一種で、主に肥料や家畜の糞尿などに含まれており、これらの物質が土壌に浸透し、植物に吸収されます。実は硝酸態窒素は植物の成長にとっては無くてはならない存在であり、硝酸態窒素が土壌にあれば植物はあるだけの硝酸態窒素を蓄え、光合成などで様々な必要栄養素に変換し、成長するのですが、変換し切れなかったものが硝酸態窒素のまま植物内に蓄積してしまうのです。

硝酸態窒素が人体に与える影響

硝酸態窒素そのものが直接人体に毒性を持つわけではありません。硝酸態窒素は、体内で腸内細菌により亜硝酸態窒素に変換されます。これが人体にとって様々な影響を及ぼすのです。

メトヘモグロビン血症:

  • 硝酸態窒素は、体内で亜硝酸態窒素に変化し、さらにヘモグロビンと結合して、メトヘモグロビンを生成します。メトヘモグロビンは、酸素運搬機能がないため、酸素欠乏症(チアノーゼ)を引き起こす可能性があります。特に乳児は、消化管内の細菌によって硝酸態窒素が亜硝酸態窒素に変化しやすいため、メトヘモグロビン血症のリスクが高いと言われています。
  • 発がん性:

    亜硝酸態窒素は、体内のアミン類と結合してニトロソアミンを生成します。ニトロソアミンは、強い発がん性を持つ物質であり、胃がんや大腸がんなどの発症リスクを高める可能性が指摘されています。

  • その他:

    硝酸態窒素の過剰摂取は、甲状腺機能の低下や、神経系への影響も懸念されています。

    (参考資料:「https://earthfamily.co.jp/shousantai-chisso/」アースファミリー公式サイト)

健康な無農薬野菜の選び方は?

簡潔に言うと、「生産者を知る」です。

農家さんたちは野菜に関してのプロフェッショナルです。病気にならないように肥料を使用せず野菜を育てていたり、農薬を使わずに手間暇を惜しまず無農薬野菜を育てる農家さんもいます。農家さんたちがどのような想いで、どのようなこだわりをもって野菜を作っているのかを調べてみることが大切でしょう。

野菜宅配のココノミがお届けする野菜を作っている農家さんにはこんな方々がいます。

■農薬の心配をせずに、野菜を食べたい人のために育てる芝橋さん


本当は農薬などの心配をせずに、野菜をたくさん食べたい人のために。徳島県阿波市で無農薬・無肥料農家を営む芝橋さんは、自然栽培をはじめられたきっかけが農作物を無料にするためという、少しユニークな動機でした。農薬を使えば、肥料を使えば、機械を使えば、それぞれお金がかかってしまいます。限りなく無料に近い価格で皆様に野菜を提供できるように、「農薬、化学肥料不使用」を掲げてお野菜を作り始めた芝橋さん。その芝橋さんが作る野菜は、どれも瑞々しく元気なものばかりです!

■自然の循環を意識した自然栽培を行う國吉さん


國吉農園さんでは、ブロッコリーや白ネギ、トウモロコシ、トマト、じゃがいも、大豆など、年間を通してたくさんの種類の野菜が「自然栽培」で育てられています。自然栽培は自然の循環そのものです。自然に返して、返した自然で育って、また返して。山の落ち葉が土にかわって山ができていくように、植物が⼟に返って野菜の栄養分となって、おいしい野菜ができていく。農薬を使ってしまうと生育は早いけど自然に返す事ができません。なにより、美味しい野菜を作りたいから、自然栽培をやっています。」通常、農薬や化学肥料を使⽤した野菜、中でもブロッコリー等アブラナ科の野菜は、農薬が茎に溜まってえぐみが出たりピリッとする感じが残ったりします。しかし、國吉さんのブロッコリーには、それが全くありません。畑でそのままいただきましたが、すっごく⽢いんです!

 

 

健康な無農薬野菜を選ぶなら野菜宅配のココノミがおすすめ

 

野菜宅配のココノミの商品はバイヤーが厳選

ココノミで販売している野菜たちはココノミのバイヤーが直接農家さんの所に赴き、栽培方法やこだわりについてインタビューを行い、生産されている野菜を実際に食べて確かめて仕入れています。時には泥だらけになりながら農家さんと共に農作業を行い、農家さんの苦労や想いを直接教わります。そのこだわりの詰まった野菜の味と農家さんの消費者への想いを知っているからこそ、皆様に自信を持っておすすめできるのです。

無農薬野菜・有機野菜を作っている様々な農家さんから選んで買える。

ココノミでは約200名の農家さんの約400種類の野菜一つ一つに生産者さんの栽培方法やこだわりを記載しています。様々な想いやこだわりある野菜を知ることできっとあなたの求める野菜に出会えるはずです。ご紹介した農家さんのお野菜も販売中ですので是非、お買い求めになって召し上がってみてください。

 

まとめ

「無農薬野菜だったらなんでもいい」という訳にはいきません。野菜をもっと知ること、で、更に健康への意識も高まるのではないでしょうか。そして、農家さんを知ることで、野菜の選び方も大きく変わってくるのではないでしょうか。ココノミでは、単に「無農薬」という基準だけでなく、生産者の顔が見える野菜、その土地の風土が生み出す味わいを大切にしています。様々な生産方法のある野菜だからこそ自分に合った野菜を選び、食生活に取り入れることが重要です。ぜひ無農薬・有機野菜宅配のココノミで見つけてみてはいかがでしょうか。

 

 

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