50年以上も有機農家を経営する大ベテランの高知県南国市の井上さんを訪問

生産者インタビュー

今回ココノミスタッフが訪問させて頂いたのは、50年以上も有機農家を営んでいらっしゃる高知県南国市の井上さんの農園です。寒暖差のある気候の中で作物を育てているビニールハウスの中にお邪魔して、セロリを見せていただいたり、お土産にセロリを頂いたりしました。

他にも、セロリの美味しい食べ方や、少し変わった貯蔵方法など教えて頂きました!

冬場はビニールハウスでしか育てられない寒暖差のある土地

ーー本日はよろしくお願いします。
井上さん「はいよろしくお願いします。」

ーーこれ植わっているのはセロリですか?
井上さん「はいそうです。」

ーーこのセロリってどれくらいで収穫できるんですか?
井上さん「そうですねぇ。種蒔いてから収穫までで半年くらいですよ。」

ーー半年もかかるんですか!?ひぇ~すごいかかるんですね。
井上さん「うちのはかかりますね。どうぞ、ビニールハウスの中に。」

ーーお邪魔します~。わ、あったかいですね。
井上さん「そうですね。今年は暖かいですね。本来はここら辺りは寒暖差が大きくて、寒いんですよ。」

ーーそうなんですか?寒い時ってどれくらいまで気温が下がりますか?
井上さん「う~ん。氷点下くらいまではさがりますよ。このビニールハウスの中ですらセロリの茎が凍るくらいですからね。」

ーーえ!ハウスの中なのに、凍るんですか!?それは寒いですね・・・。
井上さん「寒いんですよ。セロリは凍ると駄目なので、普段はこの中で暖房を焚くんですけど、今年はずっと暖かいので焚いてないんです。去年と全然気候が違うので大変ですよ」

ーー去年と確かに全然違いますよね。
井上さん「違いますね。なので生育にも差がでていて、セロリなんかはもう花が開きかけているのもあるんです。去年と比べて大体10日早いですね。」

ーー10日も差が出る程なんですね・・・。
井上さん「そうですね。普段だと外は-5度、6度くらいまでは下がるんですよ。なのでここで自然でやろうとしたら作物全部に作物の中に割れ目がはいって(すがはいると言う)全部だめになってしまいます。」

ーーすがはいると品質がすごく下がるって言いますよね。
井上さん「品質も味も何もかもが落ちます。ここらで農家やるならビニールハウスじゃないと、それこそ夏場しか栽培できなくなってしまいますね。」

ーーそんなに・・・。春とか秋は駄目なんですか?
井上さん「春や秋がと夜に気温が下がるんですね。本当に寒暖差が大きい土地なんでここは。」

血液をサラサラにするセロリの美味しい食べ方と貯蔵方法

ーーセロリは育て始めて長いんですか?
井上さん「50年近くにはなるかなぁ・・・。50年超えたと思いますよ。

ーーえっ!めっちゃ長い・・・(笑)何かおススメの食べ方ってありますか?
井上さん「私なんかはそのまま塩でバリバリ食べてしまいますけどね。マヨネーズとかかけず生でかじりますけど。まぁでも今は色んな料理がありますからね。1番食べやすい方法でいいと思います。」

ーーやっぱり生が1番美味しいですか。
井上さん「そうですね。美味しい食べ方なんかはうちの家内のほうがよく知っていますよ(笑)」

ーーそうですよね(笑)いつも料理されているかたのほうが詳しいですよね。
井上さん「まぁセロリも癖がありますからね。好き嫌いが別れる野菜だとは思います。でもだからこそ好きな人は好きなんですよ。」

ーー確かに。私は美味しいって思いますけど、苦手な人は独特の味がするって言いますよね。
井上さん「そうでしょう?だから無理に人に勧めたりはしないですけど、でも栄養としても優れた野菜なんですよ。食べると血液をサラサラにしてくれるって昔からいいますからね」

ーー最近血液がドロドロの人が増えているって言いますから、現代にぴったしの野菜ですね!
井上さん「そうなんですよ。でもなんでもいいわけじゃないんです。農薬漬けのセロリじゃ効果は期待できません。有機のセロリが1番ですからね。」

ーーなるほど~!
井上さん「セロリは最初少し塩に漬けておいて、あとから酒かすに突っ込んでおくと1年も2年も貯蔵できるんですよ。」

ーー奈良漬みたいな感じですか?
井上さん「そうそう。」

ーー私、セロリの香りが凄い好きなんですけど匂いもそのままですか?
井上さん「そのままのセロリの香りですよ。2年くらい置いても大丈夫です。」

ーーへぇ~!すごい良い事聞きました。美味しそう~!そんな食べ方があったんですね。
井上さん「セロリなんかは年中育てるのが難しいですから、暑い時に食べたいなぁって思ったら漬けてあるセロリを食べるんです。それがまた美味しいんですよ。」

ーーうわ~ビールと合いそうですね・・・。夏場は暑いから育てられないってことですか?
井上さん「そうです。セロリの適温は20度くらいなので。20度の時が1番育てやすいですね。」

ーーなるほど。
井上さん「セロリ以外でもレタスとかキャベツも20度が適温なのでそこらの野菜が育てやすい気温ですね。」

ーーセロリ以外にも何か育てているんですか?
井上さん「セロリの他だとキャベツとかナスとかハクサイとかニンジンとか育てますね。」

ーー沢山育てるんですね。植える量とかどれくらいになるんですか?
井上さん「そう沢山は育てないですよ。品目が多いので、数は減らしています。まぁ全ての野菜を同時に育てるわけではなく、時期とかずらして育てますので、そこまでっていうほどではないですけど。」

お手製虫除けスプレー

ーーでも有機なのに虫があまりついていないんですね。
井上さん「そうですね。今年は比較的綺麗な年だと思いますよ。」

ーー綺麗な年、てことは虫が多い年もあったんですか?
井上さん「ありましたよ。ひどい時はニンニクを刷って、からしを入れて吹きかけたりしましたよ。」

ーーおお!すごい・・・お手製の虫除けだ(笑)効果はあったんですか?
井上さん「まぁやらないより虫は減りましたよ(笑)」

ーー効果出てますね(笑)

最後に頂くお土産のセロリと保存方法

ーーもうずっと前から無農薬なんですか?
井上さん「そうそう。もう40年も前から無農薬でやっていますよ。」

ーー始めた頃は違ったんですか?」
井上さん「そうなんですよ。農業始めた頃は無農薬なんで知らなかったもんですからね。」

ーーなるほど~。じゃあ無農薬農法を学んでから、無農薬で?」
井上さん「そういうことになりますね。はやいものです、もう40年経ったのかって。」

ーー今は何の肥料をあげているんですか?
井上さん「8割ほど鶏糞ですよ。」

ーーじゃあ有機の認証とかって・・・。
井上さん「ああ、ありますよ。JASの有機認定が出来た頃から持ってます。」

ーー歴史が・・・(笑)認定出来た頃から持ってるってすごいですね!
井上さん「まぁ、代わりに出荷記録とか色々きちんとやらないといけないので非常に面倒くさいですけどね(笑)」

ーー話聞いているだけで面倒くさそうです(笑)
井上さん「そうだ。お土産にセロリ持っていきますか?」

ーーえ!?いいんですか?ちょうど教わった塩漬けからの酒かす漬けを試したいなぁって思っていたんですよ。
井上さん「いいですよ。ぜひぜひ。ちょっと重いですよ。」

ーーうわ、本当に重たい・・・。
井上さん「セロリ1株渡したんですけど、それで2キロくらいあります。」

ーー意外と重たかった(笑)普通の家庭とかでの、セロリの保存方法の注意点ってなにかありますか?
井上さん「葉が枯れやすい、しおれやすいのでそれが要注意ですかね。ハウスのセロリも開けてて風とか入り込むと葉がしおれることがあるので。」

ーーなるほど。じゃあラップか袋で包むような形で保存、が最適ですかね?
井上さん「そうですね。大きめな袋で全部覆ってもいいですよ。それで冷蔵庫とかにいれておけば2週間はしおれずに持つと思います。」

ーーなるほど勉強になります。あ、最後に写真いいですか?
井上さん「写真ですか?野菜の?私の?」

ーー農家さんの写真です(笑)
井上さん「いいですよ(笑)」

ーー・・・はい、ありがとうございます!いい写真が撮れました!本日はありがとうございます。お土産のセロリまで頂いでしまって・・・。
井上さん「いえいえ。美味しく召し上がって下さい。」

Ranking

ランキング

Category

カテゴリー