5haの無農薬畑を管理する京都府京丹後市で無農薬農家を営む中川さんを訪問

生産者インタビュー

今回ココノミスタッフが訪問させて頂いたのは、京都府京丹後市でお米や野菜を作る中川さんの農園です。農業をはじめられたきっかけや、無農薬での栽培にこだわる理由についても伺うことができました。

その他にも、田畑輪換など今後チャレンジしていきたいこともたっぷりお聞きしました!

無農薬で育てる5haほどの畑!

ーーこんにちは。よろしくお願いします。
中川さん「はい、こんにちは。」

ーーけっこう広いですね
中川さん「そうですね。色々、点在していて面積で言うと、全部の面積で8haくらいあるかな?」

ーーわあ、けっこう点在していますね。
中川さん「こっちは地域のグループに入っていまして、そこで言われた通りに作っています。こっちは、化成肥料も農薬も使いますが、あと残りの5haくらいは無農薬です。」

ーーお米と野菜を並行して栽培するのは大変ですね。
中川さん「大変です。去年はあまり野菜、つくらなかったです(笑)」

ーー(笑)
中川さん「お米の大変なのは、草刈りと水管理ですね。圃場が広いと、端からやっても終わる頃にはまた初めにやった所にまた草が(笑)」

ーー最初の方がまた生えると(笑)
中川さん「そうそう(笑)だから、夏はあまり野菜は作らないです。作ってみたいとは思うのですが。」

ーー野菜は冬がメインですか?
中川さん「そうです。お米の収穫が終わってからです。お米と被らないように。」

ーーなるほど。
中川さん「秋口に豆、黒豆です。」

ーー黒豆いいですね。
中川さん「今年は夏野菜作ったけどあんまり。去年の天候で枯れてしまった物もあったので。」

ーー去年の夏野菜は、木が長持ちしなかったのですね。

農業歴24年の大ベテラン!

ーー農業を始められて何年くらいですか?
中川さん「24年くらいです。」

ーー私が生まれたくらいですね(笑)
中川さん「(笑)自然農法をしようと思って、22歳くらいに静岡県の大仁農場に2年間行きました。そこは、自然農法の学校です。」

ーーじゃあ、ずっと農業をやっているのですか?
中川さん「いや、高校は建築関係の高校でています。大工になるつもりで(笑)高校卒業して就職したけど、農業やりたくて自然農法の学校に行って。学校に入った時は、こっちに帰ってこないつもりで、どこか違う所か、それか海外に行こうかと考えていました。」

ーーでも戻って来られてこの土地で農業を始めたと。
中川さん「そうです。始めた時は漠然と考えていて、やっていれば土が良くなると、でも全然で。」

ーー何故、無農薬をやろうとおもったのですか?
中川さん「ゆくゆくは、土が良くなるのと。肥料代もかからないし、美味しいお米が出来る。化学製の物入れてないということは、より健康で自然的だし、病気だってなくなっていくかもしれない。今の加工品が悪いとはいわないけど、賞味期限を長くして保存出来るようにしてあると、保存できるように添加物とかも入っている。そうじゃなくて、もっと自然に近い形で、皆さんに食べてほしいのです。腐敗実験って知っていますか?」

ーーいえ、知らないです。
中川さん「この実験は、栽培方法が違う作物を瓶詰めにして腐らせていく実験ですが、何も入れてない自然に近いかんじの作物は腐らないで萎れていくのですよ。化成肥料とかが入っているのは、黒く腐っていく。匂いも違うのですよ。化成肥料は、何とも言えない匂いで。」

ーーなんとなくわかります。
中川さん「家畜の糞を利用した物は、腐ったら家畜の糞のような匂いになるのです。腐ると使った物に戻るというかんじですかね。」

ーー全部、繋がっているかんじがしますね。
中川さん「そういう事を調べて、試行錯誤しながらやっています。まあ、作物が上手く出来る時と出来ない時もありますけど。出来やすい所は出来やすいですし。」

ーー土地の力がないと作物が出来ないって聞いた事があります。
中川さん「元々、川だった所は、やっぱり出来やすいですよ。」

ーー土地の向き、不向きはありますね。そういう事で、畑を引っ越したって方もいらっしゃいましたよ。
中川さん「川の上流と下流で違いますからね。」

田畑輪換にもチャレンジしてきたい

ーー大変ですよね。一番、苦労された事はなんですか?
中川さん「そうですね~、始めた時は色々、試行錯誤しながらで、最近は周りの農家さんとか土壌分析して、土壌になにが足りないから有機物の肥料を入れた方がいいとか他の有機物をとか、僕は数字が弱くて話しについていけなくて(笑)」

ーーわかります。私も数字が苦手で(笑)
中川さん「数字も強くならないと(笑)僕は農薬、化学肥料を使わないでやっていますが、後世に伝えていくには基準になる数字が必要になってくる。例えば、畑一枚分にはどれだけの窒素が必要になのか、基準がないと分からなくなるので、去年、マニュアルを作りました。」

ーー考える基準になりますね。
中川さん「有機物をもっと入れて地力をあげていくように。」

ーーなるほど。もっと、畑を増やす事を考えていますか?
中川さん「そうですね、考えています。今、お米ですけど田畑輪換をやっていこうかなと。」

ーー田畑輪換ってなんですか?
中川さん「農地を、田んぼと畑を数年ごとに交互に利用するやりかたです。」

ーーへ~、そんなやり方があるのですね。メリットはなんですか?
中川さん「雑草と肥料面ですね。ずっと田んぼをやっていると地力が落ちて雑草が増えている。次に大豆に変えて畑にすると、今までの雑草は水田の雑草だから枯れてしまう。畑に雑草が増えたら、また田んぼに戻すと畑な雑草だから枯れる。交互にやっていると、肥料も少なくできるし、雑草も生えにくくなります。」

ーー自然の物でなるべく賄えるようになるのですね。
中川さん「そうですね。そういうように出来るようにしたいと思います。周期が難しいですけど、一枚の畑で二回、収穫できるほうが効率的にいいですから。」

「おいしい」という言葉を励みに

ーー今後、挑戦したい野菜はありますか?
中川さん「野菜ですか。大体、作ってきたとは思うのですけど、今年は夏野菜を作りたいと思います。」

ーー夏野菜ですか。
中川さん「作りたいとはおもいますけど。」

ーー野菜は冬がメインでしたね。そういえば、頂いた蕪はお正月に食べました。すごい香りがよくて美味しかったです。色も可愛くて。
中川さん「赤と白のコントラストの色見がいいですよ。くせがあんまりないです。」

ーー蕪の嫌な所がなくて。蕪って苦手な人もいるじゃないですか。
中川さん「そうですね。蕪の独特な香りだとか」

ーー苦いかんじがするのですよね。それがなくて甘くて美味しかったです。
中川さん「(笑)」

ーー最後に、農業をやっていて楽しい事はなんですか?
中川さん「やっぱり、作った物を食べてもらって、美味しいって言ってもらう事ですね。売る方ももちろんですけど、買う方の顔も見えるといいですね。」

ーー作るばかりでお客さんの顔が見えないのはちょっと…出来れば、声も聞きたいですよね。
中川さん「そうですね(笑)僕たちも、買う人の顔が見れるなら、作物を作る時も、畑を管理する時も、相手の顔を思い浮かべながら作業できますね。美味しいって言ってもらったら励みになります。」

ーーそれは大事な事ですよね(笑)
中川さん「はい(笑)」

ーーこれからも中川さんの作るお野菜を楽しみにしています。今日は本当にありがとうございました(笑)
中川さん「お疲れ様でした。こちらこそありがとうございました(笑)」

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