無農薬でベビーリーフなどの野菜を栽培!大阪府八尾市の大西さん訪問

生産者インタビュー

今回ココノミスタッフが訪問させて頂いたのは、大阪府八尾市で有機農家をされている大西さんの農園です。

元々は水田だった土地で、試行錯誤しながらベビーリーフなどの野菜を育てている大西さんに、有機農家の苦労などをたっぷり伺いました。

2014年に有機農家を開始

ーー本日はよろしくお願いします。

大西さん「よろしくお願いします。」

ーー大阪府八尾市で有機農家をはじめられたのは、いつからになるのでしょうか?

大西さん「2014年くらいからですね。今年で4年目になります。現在は主にベビーリーフを育てています。」

ーーなるほど。ベビーリーフのハウスはいくつありますか?

大西さん「いち、にい、さん・・全部で3つですね。」

ーーハウスの中で作られている品種は何になりますか?

大西さん「基本的にはバラバラですね。少量多品目でやっているので。ちょっとハウスの中へ行きましょうか。」

ーーはい、お邪魔します。

大西さん「これがビートですね。これがチコリー。」

ーーなるほどです。あ、カエルがいる(笑)

大西さん「カエルやらバッタやらはよく居ますね。あとそのカエルを食べにイタチがきたりとか、鳥が入って出られへんようになってたりとか(笑)まあ有機栽培ならではって感じですね。」

ーーへぇ〜、そうなんですね。ここは基本的に閉まっているんですか?

大西さん「そうですね、ここは防虫ネットになっているので、網目が0.5mmなのでほとんど虫は入ってこれません。入ってきても粘着マットにくっつく仕組みですね。基本的に虫は出さないし入ってこさせないようにしてます。」

土作りに欠かせない剪定チップ

ーー土にはなにか特別なものは入れてるんですか?

大西さん「この辺は造園屋さんが多いので、そこの剪定チップを使用したりとかですね。基本的に地元で取れるものを中心に使用しています。

有機農家さんて基本的に堆肥を使われるんですけど、大阪なので堆肥がなくて、無い物ねだりしても仕方がないので、鶏糞や剪定チップを使って畑の中で堆肥を作っちゃうような感じですね。

あとは納豆菌を培養して撒いていて、土作りをやってもらっています。基本的に土壌がサラサラなんですよ。触ってみてください。」

ーー失礼します。本当だ、サラサラですね。

大西さん「この辺は少し水気があるんですけど、水気があってもパラパラパラって崩れていくんですよ。基本的に全部ここは砂なんですよね。

砂なので、水もサーッと引いてしまうんですよ。けど、昔田んぼだった影響で下には粘土層があります。

だから水はけは悪いけど、水持ちを悪いという悪条件な土壌ですね(笑)」

ーーなるほど(笑)

大西さん「ここへきてから、2トンくらいは剪定チップを入れてるんですけど、そうしたら大分水持ちも良くなってきましたね。

あとは毎年ひたすら繰り返していくしかないかなって感じです。」

ーー水はどのくらいの量を、どのくらい撒かれるんでしょうか?

大西さん「基本は朝と夜ですね。量的には、他の農家さんと比べるとそんなに撒いてないですね。マメに撒かないとすぐ乾いてしまうので。」

今後の課題はパッケージ

ーー収穫はいつくらいのご予定なのでしょうか?

大西さん「水菜はもう来週くらいですね。」

ーー撒いてから何日目に発芽しないとダメとかあるんですか?

大西さん「そうですね、夏場と冬場で変わりますけど、一週間くらいですかね。一週間を目処にしていかないと、後の予定が立たないので・・・。」

ーーベビーミックスということは、全部ミックスで販売されてるんですか?

大西さん「そうですね、3種類か4種類くらいを組み合わせて販売してます。

出荷のパッケージは見栄えをよくしないといけないんですけど、そういう作業は女性の方が向いていますね。自分でやるとバババッとやっちゃって、あれなんか注文数少ないなみたいな結果になることもあります(笑)ちょっとそこを改善していこうと思っています。」

ーーなるほど(笑)梱包も難しいですよね。昨日お邪魔した農家さんでも、同じようなことを仰っていて、自分はガサツだから、袋詰は女性に任せて自分はやらないと決めているそうです。

大西さん「そうですよね、それが良いと思います(笑)スーパーとか、お客さんが直接商品を見て買うところでは、やっぱり見た目は重要だと思うので、手を抜かずにちゃんとやろうかなと思っています(笑)」

「なんとなく」ではなく科学的な裏付けが必要

ーー大西さんの畑で栽培されているお野菜は、全くの無農薬栽培なんでしょうか?

大西さん「はい、そうですね。ただ炭酸ガスを使った消毒はしています。炭酸ガスを直に出して殺菌するのと、あとは熱を使っています。」

ーー熱はどうやって発生させるのでしょうか?

大西さん「地熱をひたすら溜めています。理想は900℃なんですけど、だいぶ古くなってきているので、650℃くらいですね。」

ーーハウスによって土質が変わったりはするのでしょうか?

大西さん「基本的には変わらないですね。年に一回緑肥をやったり、納豆菌などを使ったりして、じわじわほぐしていく感じですね。」

ーーすごい時間がかかりそうですね。

大西さん「時間はかかりますね。土作りに3年とか4年とか・・・。今年で4年目なので、丁度いい感じに育ってきたところです。

あと、CEC(塩基置換容量)といって、いかに肥料の養分を保持するかみたいな値も良くなってきました。」

ーーなるほど。

大西さん「『なんとなく良くなってきた』じゃなくて、科学的な裏付けが欲しいので、土壌検査を時前でやったりはしてますね。基本的に科学的根拠をベースにやるようにはしています。」

ーーそうですね、闇雲にやっても仕方ないかなって思います。

大西さん「そうですね、科学的根拠がないと、お客さんに説明もできないですしね。『うちはこういう風にやってる』と説明しても、だから?って言われたら終わりなので(笑)やっぱりエビデンスがないとダメですね。」

ーーすごいですね。この前はじめて本屋さんで農業の土壌系コーナーに行ったんですが、内容は完全に理系でびっくりしました(笑)私には理解できそうもありませんでした・・・。

大西さん「そんなことないですよ(笑)すごい単純ですからね。」

ーーみんな凄いなって思います(笑)

大西さん「農業って確かに科学の世界なんですが、バタフライ効果みたいに少しのことが後々10年後くらいにえらいことになってしまうことがあるので、そこは科学一辺倒ではあかんところですね。

そこをスピリチュアルに求める人もおるし、ひたすら科学的に行く人もおるし、うちは科学的な要素と文系的な要素をうまいこと絡めて両立できたらなあと思ってやってるんですけど。」

主力商品のベビーリーフは売り方が大事

ーーでも、食べてるものってこうやってできてるんだなって改めて思いました・・・。土が違えば味も違いますし、土も元々の地質によって変わるんだと思うと、どこで農業をやるかによってだいぶ変わってきますよね。

大西さん「そうですね。だから新規就農者の方が一番失敗しやすいのは、不利な条件の地質の場所をあてがわれて、それでうまくいかないってパターンですね。そのへんは、自分のところは恵まれてたかなあと思います。」

ーー元々ここは畑だったのでしょうか?造園のほうをされてたのでしょうか?

大西さん「ここも植木が植わってました。大正くらいまでは水田だったんですけど、植木畑になって、最近はほったらかしになってたので切り拓いていったという感じですね。」

ーーなぜ最初にベビーリーフを育てようと思ったのでしょうか?

大西さん「そうですね、すぐに採れてすぐ換金できる農作物がよかったので、人参とかではないなとはじめに思ってました。じゃあ何にしようかとなったときに、ここの利点を最大限に活かすんだったら早く作れて種類が豊富なベビーリーフがはじめは一番だと思いました。

例えばどれか1品種がダメになっても、他の品種でリカバリーできるのも強いですね。土が育ってきたらほうれん草とかでも良いんですけど、今はあまりにもリスクがでかいので、あえてミックスという形にしていますね。」

ーーなるほどです。

大西さん「ただ売り方考えないと買い叩かれるだけなので、ココノミさんには期待しています(笑)」

ーーご期待に添えるように頑張ります!本日は、どうもありがとうございました。

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