実は幻だった正真正銘の”魚沼産コシヒカリ”?!

日本を代表する米どころ、新潟・魚沼地区に行って来ました

魚沼産コシヒカリ

現在、日本各地で多くのブランド米が現れています。
ゆめぴりか、ななつぼし、つや姫、青天の霹靂などなど…。
そうした新顔を寄せ付けず圧倒的な王者として君臨しているのが「魚沼産コシヒカリ」。
「美味しいお米」と聞くと、真っ先に魚沼産コシヒカリを浮かべる方も多いのではないでしょうか。
今回は、その魚沼産コシヒカリを徹底取材して来ました!

 

「魚沼産」の中でもエリアが分かれているのをご存知ですか?

「新潟魚沼産」という言葉はあまりにも有名ですが、その「魚沼」が魚沼市だけではなく5市2町にまたがるエリア全体を指す事をご存知でしょうか?

魚沼産コシヒカリを生産している箇所

魚沼産コシヒカリを生産しているエリア

・小千谷市
・長岡市
・魚沼市
・南魚沼市
・湯沢町
・十日町市
・津南町

このエリアで収穫されるお米は全て「魚沼産コシヒカリ」と名乗れる訳ですが、その中でも特に米どころとして評価が高いのが、南魚沼市の旧塩沢町地区と十日町市です。
今回はその十日町の農家さんを訪ねて来ました。

 

コシヒカリBLって?

魚沼産コシヒカリ

コシヒカリBL。
訪問前にネットで魚沼産コシヒカリについて調べてみると、この言葉が頻出します。
最初この単語を見た時、頭に?マークが浮かびました。

BL?
ボーイズラブ?お米が?・・・いや、違うだろうな。

BL・・・BL・・・。
「BLは良くない」
「ウチは非BLのみを扱っています」

ますます混乱して来ます。

 

流通しているコシヒカリは「コシヒカリ」ではない!?

よく調べてみると。BLというのは「コシヒカリBL」という品種を指すようです。

これは「コシヒカリ」を病気に強く・安定的に収穫が出来るように他品種と掛け合わせて作った新品種です。
国や県としても農協さんとしてもこのコシヒカリBL種を広めたい考えが強いようで、今では市場でBL種しか買い取らない決まりになっています。
更に新潟原産「コシヒカリ」の種の流通もストップしているので、農家さんは基本的に「コシヒカリBL」しか作れません。

*おとなり富山ではコシヒカリの種が流通しています。なので、種を持っていないがコシヒカリを作りたい農家さんは富山のコシヒカリの種を魚沼エリアに持ち込んで栽培しているようです。

なので、流通している「魚沼産コシヒカリ」の95%以上が実は「コシヒカリ」ではなく「コシヒカリBL」か「富山のコシヒカリ」なんです。

このBL種。病気に強いのは良いのですが、味はコシヒカリに比べると落ちると言われています。
(国としては「味も変わらない」というスタンスなので、表現が難しいところですが)

「昔から魚沼産コシヒカリを食べていたけど、なんだか味が落ちているように感じる」
これはひょっとしたら、BL種に切り替わっている事が原因かもしれませんね。

 

時代の流れに屈せずコシヒカリを作る農家さんも存在する。

本物の「コシヒカリ」を生産する米農家の石田さん

本物の「コシヒカリ」を生産する米農家の阿部さん

こんな状況の中でも、時代の流れに屈せず「コシヒカリ」を有機農法で作り続けている農家さんも居ます。
ただし、日本を代表する「魚沼エリア」の中で特に評価の高い「十日町」でも、昔ながらの「十日町原産コシヒカリ」を有機で作っている農家さんはお話を伺う限り数人。
その内の1人、阿部さんとお会いして来ました。

 

阿部さんの生き方がカッコいい

前述の通り、「コシヒカリ」の種はもう販売されていません。
BL種への一斉切り替え指示も有ったのですが、阿部さんはこれに従わず昔ながらのコシヒカリを作り続けている為、種を途切れさせる事なく栽培を続けています。

もちろん、BL種では無いので市場で買い取って貰う事が出来ません。
国や農協からの支援も受けられません。

それでも直接販売の道をなんとか切り拓き、本物のコシヒカリを世の中に伝える役割を担っています。
困難の連続だったと思いますが、ご本人はなんとも温和で飄々としたお人柄です。

 

阿部さんの水田

新潟の水田というと、一軒一軒が広大な土地を占有して稲作をしていると想像されるかもしれませんが、実際は小規模な水田を飛び地で何枚か保有しているケースが殆どです。

石田さん所有の水田

阿部さん所有の水田

上の画像は阿部さんの水田の一部。
手前と奥で若干色が違うのが伝わりますでしょうか?手前は色が濃く、奥は薄くなっています。
色が濃い部分が阿部さんの土地で、薄い土地は別の方の水田です。
「コシヒカリ」と「コシヒカリBL」という品種の違いも有りますが、稲への手の掛けかた(阿部さんの言葉を借りると「愛情の掛けかた」)によってこの差が生まれるようです。

熟練の米農家さんの間でも、やはり差は有るんですね。

 

一般的なお米は「ブレンド米」

これは魚沼産コシヒカリに限った話では有りませんが、基本的に世の中で流通しているお米は複数の農家さんから仕入れた玄米をブレンドして一つの商品にしています。
そうする事でムダ無く流通させる事が出来ますし、品質も安定します。

合理的なシステムではありますが、良い出来の農家さんの米も・出来が良くなかった農家さんの米も混ぜて売るのはどうかな、と僕らは疑問視します。

ワインや野菜と同じように「単一農家のお米」が市場に並び、買う方は好みによって選択出来る。農家さんとしても、評価を直接得られてブランド化に繋がる。
「素晴らしい農家」「いまいちな農家」がしっかり認識されるようになる。

これもまた一つの姿なのではないか、と僕たちは思います。

 

阿部さんの「コシヒカリ」乞うご期待ください!

育ち盛りの稲たち

育ち盛りの稲たち

阿部さんと、同じように昔ながらのコシヒカリを栽培しているお仲間に全面協力頂きました。

さすがに生産量が極めて少ないですが本物の「コシヒカリ」それも有機栽培に限定した新米をココノミでも販売します。

10月頃からスタートする予定ですので、またお知らせします!

2016.08.10

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