土にこだわり無農薬でおいしいブドウを作る!兵庫県豊岡市の中嶋さん訪問 

今回ココノミスタッフが訪問させて頂いたのは、無農薬でおいしいブドウを育てる兵庫県豊岡市の中嶋さんの農園です。ブドウ農家をはじめたキッカケや、「太陽熱処理」などの土へのこだわり、果樹栽培で重要なことなどを伺うことができました。

その他にも、ピオーネ、シャインマスカット、クイーンニーナなど、美味しそうなブドウをたくさん見学させていただきました!

ブドウ農家をはじめたキッカケ

ーーこんにちは(笑)本日はよろしくお願いします。
中嶋さん「こんにちは(笑)」

ーー元々、ブドウ農家さんをされていたんですか?
中嶋さん「いえ、20代は養豚業をやっていました。父親が養豚業をやっていたので、自分の所の豚肉を売っていました。抗生剤をほぼ使わず、自家配合した飼料を与えた、とても高品質な豚肉だったと思います。それをやめまして、それから大阪に3年間出ていましたが、父親が亡くなりまして、もう一度農業をやろうと、戻ってきて、ブドウを始めました。」

ーーブドウ農家は何年目ですか?
中嶋さん「新規就農は今年5年目になります。でも、20代の頃から農業関係は経験していると思います。また養豚業で豚が健康になり肉質を良くなるために、有用な微生物の力を借りて腸内細菌を改善することは、農業における土作りに繋がっていると思います。」

ーー何故、ブドウを始めたのですか?
中嶋さん「豊岡市では昔からブドウを作る人が多いのですよ。そして、私もぶどうが好きで、やっぱり自分が食べたいものを作りたいと思いました。ぶどうの栽培技術がある方の元で1年間研修してから始めました。研修を受けていただいた親方も無農薬で栽培する事を理解してくれましたし、大事なポイントを押さえれば大丈夫だと思ったので、最初から無農薬で始めました。」

こだわりがある「土」

ーー土にこだわりがあるのですよね?
中嶋さん「はい。肥料成分は入れずに、とにかく有機物を入れています。木材チップ、もみ殻、そば殻、竹チップや刈り草と、それらの発酵分解を進めるために米ぬかと、自家製のボカシも入れています。また緑肥としてソルゴーやライ麦も育てています。これは全て土壌微生物のためのもので、微生物が養分化してぶどうの木を育ててくれるようにしています。あとはミネラル分を補うため、海藻をまいています。」

ーーさっきチラっと見えました。
中嶋さん「そうです。これは、そば殻ですね。あとは、菌床。廃菌床といって捨てる菌床を使います。」

ーー菌床?
中嶋さん「シイタケとかキノコを栽培する菌の苗床です。C/N比もちょうど良く、しいたけ菌(糸状菌)がしっかり食らいついていて短期間で養分化しやすいですね」

ーーああ、見た事あります。
中嶋さん「そういう有機物を入れています。苗木の段階で、化成・有機に関わらず肥料だけで育ててしまうと良くないのです。エンドファイト(植物共生菌)が育たないまま、地中での微生物の共生関係を断ち切ることになり、成木してから病気や害虫に弱い木になりますね。味にも影響があります。」

ーーなるほど。

果樹は排水性が重要

中嶋さん「とにかく、果樹は排水性が重要です。もちろん野菜も排水が大事ですが。場所もちゃんと高台になっている所で明渠を何本も掘っています。こういった溝です。」

ーーありますね。
中嶋さん「ずーっと。向こうまで6本あります。80㎝くらいの深い溝を通しています。その中に、竹とかカヤ、もみ殻、そば殻を入れています。」

ーー丁度、この下に溝があるのですね?
中嶋さん「はい。腰くらいまでの深い溝になっています。」

ーー今は溝に蓋をしているのですね。
中嶋さん「いえ(笑)これはただ、置いているだけです。」

ーーなるほど(笑)それにしても、土がフカフカですね。
中嶋さん「土はまだ。0からの土作りがスタートしたので、実は、自分が思い描いている所まで行きついていないんですよ。」

ーーそうなのですか?
中嶋さん「だけど、土壌改良を繰り返し続け、年々、少しずつ良くなってきていますね。生える草の種類も変わってきて、ぶどうもよく育っています。昔は、大変でしたね。」

ーー大変だとは、どのような状態でしたか?
中嶋さん「積極的にどんどん土壌改良しているので、良くなってきています。農業を始めて苗木を植え付けた時、ピタッと成長が止まってしまい、全く育たない場所がありました。翌年、翌々年と経過を見守ると、急にスイッチが入ったように勢いよく成長しだしましたよ。」

ーー手入れも大変だと思いますが、すごく綺麗ですね。
中嶋さん「いや~(笑)棚自体も自分で作って、色んな変わったことをしているので、他のブドウ園さんとは様子が違うかもしれないですね(笑)」

ーーそうなのですか?あんまり行ったことがなくて(笑)
中嶋さん「そうなのですか。ぶどうの枝の上にビニールの被覆をするのですけど。ブドウというのは、乾燥地帯の生き物です。なので、水に濡らさない方がいいのですよ。うちは農薬をかけないので、葉に雨が当たり続けると、病気になりやすいですね。」

ーーへぇ~!

色々なブドウを見学!

中嶋さん「それで、ここの筋のずっと向こうまで。ピオーネですね。」

ーーピオーネ、聞いた事あります!
中嶋さん「それで、真ん中辺りにあるのが、シャインマスカットです。」

ーー凄い!
中嶋さん「半分以上はシャインマスカットです。これ、全部シャインマスカットです。」

ーーシャインマスカットって、めちゃくちゃ美味しいですよね(笑)
中嶋さん「美味しいですよ(笑)シャインマスカットって、けっこう青いってイメージがあると思いますが、ちゃんと完熟させると、もっともっと美味しくなるんですよ。」

ーーそれは楽しみです(笑)
中嶋さん「向こうには、赤系の品種でクイーンニーナがあります。」

ーークイーンニーナ?初めて聞きます。
中嶋さん「そうですか。一本の木から実が多く取れないし何かと作るのが難しいですが、とっても甘くて美味しいですよ。」

ーーわあ、美味しいブドウしかないのですね(笑)
中嶋さん「そうですね(笑)基本、新しい優良品種を多く入れてやっていますね。」

ーーまだ、どれがなんの品種かはわからないですね。
中嶋さん「木だけだと、わからないですよね。僕はわかりますが(笑)」

ーー(笑)
中嶋さん「露地はこんなかんじですね。土の中の水捌けと通気性、あとは有機物をしっかり入れてあげるのが、すごく重要だと思います。」

ーーそば殻を使っているのが、出石らしくていいですね。
中嶋さん「ああ、出石そばですね。」

ーー出石そば、有名ですからね。
中嶋さん「そば殻は、近くの製粉会社から無料でもらっています。入れている物は基本、みんな地域で捨てられるものをほぼタダでもらってきています。」

ーーシイタケの菌床もですか?
中嶋さん「これは、うちでシイタケを栽培していますから。」

ーー栽培しているのですか。
中嶋さん「うちは、ブドウとニンジンとシイタケを栽培しています。あとは、スナップエンドウも。シイタケもずっと、採っています。もちろん全て無農薬で。それで菌床が出てくるのです。それでは、ハウスの方に行きましょうか」

ーーお願いします。

太陽熱処理で土壌微生物相をリセット

中嶋さん「ここの土は、昔から畑の土だったので、とても成長がいいです。また、果樹ではあんまりしませんが、太陽熱処理をしました。」

ーー太陽熱処理とはなんですか?
中嶋さん「太陽熱処理は、透明のフィルムを敷いて、土を高温にします。ざっくり簡単に言うと土壌微生物相の再構築みたいなかんじです。そういう事をしてから、ほとんど何も入れてないです。有機物をたくさん最初に入れただけで。この木で、植え付けて2年です。」

ーーこの木で2年ですか。向こうの木は?
中嶋さん「向こうの木は3年です。」

ーー太いですね。
中嶋さん「露地と比べると順調に育ってくれたんで大きくなりましたが、ぎゅっと締まった幹ですよ。枝の節と節の間が短く、硬く締まった枝です。肥料成分で、窒素で太らせてないからなんですよ。また水はなるべく切らせて作っています。うちビニールハウスには潅水施設は付いてないんですよ。苗木の段階で水をあんまりやると良くないですね。」

ーーブドウは水をあげたら駄目なのですね。
中嶋さん「全くないっていうのもダメで、実が大きくなる時はとても重要です。ただ水が多すぎると根っこが地表面にしか伸びなくなり、ますます乾燥に弱くなり水を求めるようになります。また、水が多過ぎると地中が酸欠になって腐敗しやすくなると思います。土が良くなった結果、毛細管現象で地下深くから水分が上がってきているようですね。今はほぼ水やりをしていませんが、少し掘ると土が湿っていますよ。向こうは、ブラックビートです。黒い早生のブドウですね。ここは、3年経ったブドウです。ここも、窒素分を与えないようにして、太陽熱処理をして、有機物をしっかり入れてあります。」

ーーなるほど。今日は色々なお話を聞かせて頂いて、本当にありがとうございました!
中嶋さん「いえいえ(笑)こちらこそ、ありがとうございました。」

2019.06.29

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