ほのぼのハウス山口さんの農場通信 vol.3
ココノミの提携農家、ほのぼのハウス山口さんの情報誌
今回も、ココノミの提携農家さん「ほのぼのハウス山口さん」が月次で作っている情報誌「農場通信」を山口さんに許可を頂き、ココノミ新聞でも掲載させていただける事になりました。
大人気の平飼い卵をはじめとして、多種多様な野菜を作っている山口さん。
その山口さんのリアルな状況や、役に立つ情報等満載なので、是非読んでみてください。
2023.2 豪雪立春 感謝とお詫び
岡山豪雪災害から3週間がたちました。
この間、たくさんの人にはげまされ、応援され少しずつ気を取り直しながら、3週間が過ぎようとしています。
振り返ってみればその日は少し風の強い、春の兆しを感じる小春日和でした。
夕方には気温が下がり、5㎝ほどの積雪の可能性もあるような予報がでてました。夕方15時を過ぎると突如突風が吹き出し、粉雪が舞いだし、16時には積雪がはじまりました。泊まり込みのスタッフを残して他のスタッフは無事に山をおり、僕含めて2名で温室ハウスの雪かきをはじめました。
しかし時間あたりの降雪量は記録的で1時間で30㎝、7時には60㎝ほど積もっていきました。ハウスが2棟、倉庫が1棟、出荷ハウスが2棟、事務所が1棟、鶏舎が2棟あるのですが、雪下ろしも全く間に合わず夜の10時にはハウス2棟、倉庫1棟を80㎝ほどの雪で潰してしまいました。
よく降って20㎝ほどの地域で、そう雪対策のない地域でしたので、市内だけでも50棟以上のハウスがつぶれてしまったようです。さまざまな農機具を納めている倉庫がつぶれたときには、思わず、自分自身も雪に倒れてしまい、一緒に作業をしてくれたスタッフに助けてもらい残った建物の雪かきを行い、夜の12時ごろには積雪の峠を越えたようで山道をラッセルしながら自宅に戻りました。
翌朝またもや、降り積もる中、確認に上ってみると事務所小屋の前は一面ゲレンでのような雪景色、3mも上にあった屋根はまたいで通れるように無残にも地に伏しかろうじて農機具の背中でが機械をかたどるように地をはう屋根がていました。
そんな父親を心配してか小2になる息子は家を飛び出し、畑の小屋に向かったようです。ぼくはつゆしらず、道中はまった車の雪かきをてつだったりしているうちにお昼ぐらいになっていました。家のほうでは息子がいなくなったと大騒ぎで捜索がはじまったようです。そうするうちに手足を真っ赤に腫らして無事に山の小屋にたどり着き、雪かきをしてくれてました。
1人でかってに出ていったことをきつく叱り、ぎゅっと抱きしめてあげました。不思議なもので雪がないときも、一人で上ったこともないのに、怖くなかったと。そんな局面にも遭遇しながら、自分の不甲斐なさを思い、はたけの野菜、ハウス、機械をだめにしてしまい、わたしたちの存在意義を自問自答しながら、一緒に汗水たらして農場を建てた仲間、こうしてまた一緒に解体を手伝ってくれている仲間、走馬燈のようにいろいろな想いがこみあげていきます。
底辺にいきる我々小さな農家は、自然の恵みいただくと同時に、自然の脅威に翻弄されながら、しがみつき何とか生きようとしています。辛苦の中にあって、はげましてくれる仲間、一緒に汗を流してくれる近所の人、はたもや物資やお見舞いをくれる友人、知人、本当にそこでしか知りえない人の新たな一面や温もり、助け合いをしることができるのかもしれません。2011年3月の東日本大震災で被災しました。その時は農場のある学校で教員をしていたのですが、水や電気などのライフラインが止まり、不安の中、近隣の人々は学校にあつまり、火をたき、まきで料理をとり、暖をとり、食べ物を分かち合い、はげましあい、連帯しながら困難を乗り越えていきました。その時、自然の中にある農場の強さ、分かち合いの素晴らしさを体感しました。そんな場所を岡山にも作りたいと思い美作の山の中で農業をはじめ、人々が集まれる農場をはじめようとしてきましたが、豪雪とともに諸共潰れてしまいが、また一新いちから作り直していこうと思っています。
この間本当に多くの方から沢山の励まし、お見舞い、共に働くこと、いたわりをいただきました。苦労することも沢山あり、これからも続くだろうけと、それ以上に本当に有難いと思うこと、人の温もりを感じることがあり、ああ生きててよかったと思う日です。
今日も氷点下、朝からまさかの積雪のさなか、近所のカフェのオーナーが長靴、ヘルメットを来て朝早くから復旧の手伝いにきてくれました。あーだ、こーだと言いながら、一日一日着実にかたずき、着実にすすんでいきます。寒波に負けじと生き残った野菜を少しずつ収穫しながら出荷しています。本来なら1月末にはまく春野菜が全く種が蒔けていない状況です。こらから野菜が少しずつ少なくなっていきます。その折には季節の加工品やメニューの変更をお願いするようになると思います。