草と共存して野菜を育てる有機農家!高知県南国市の吉本さんを再訪問

生産者インタビュー

今回ココノミスタッフが訪問させて頂いた農家さんは、高知県南国市で農家をされている吉本さんです。今回が2度目のご訪問となります。

※前回の記事はコチラ

栽培しているジャンボブロッコリーや三太郎ダイコンの美味しい食べ方・保存方法などを教えていただきました。また、古来から日本で親しまれているマコモダケについてのお話や、草と共存して野菜を育てる吉本さんの理念について語っていただきました。

短くて太い三太郎ダイコンと美味しい食べ方

ーーお久しぶりです~。
吉本さん「お久しぶりです。」

ーー本日はよろしくお願いします。
吉本さん「こちらこそよろしくお願いします。」

ーーあれ、すごいかわいい・・・これはダイコンですか?
吉本さん「そうですよ。」

ーー可愛いけど、なんか、セクシーですね(笑)
吉本さん「そうですか(笑)確かに見ようによってはセクシーですね(笑)」

ーーなんていうダイコンなんですか?
吉本さん「これは三太郎ダイコンです。ほら、今は家族が少なくて大きなダイコンは売れないでしょう。これは短くて太いダイコンだから人気があるんですよ。」

ーーなるほど。確かに、お客様からも使いきれない~って声をいただくんです。
吉本さん「やっぱりね。このダイコンなら使い勝手がいいから結構買ってくださる人多いんですよ。」

ーーうんうん。私も長いダイコンと三太郎ダイコンがあったら、三太郎ダイコンを買うと思います(笑)
吉本さん「ちなみに1番美味しい食べ方はステーキなんです。」

ーーえ、ダイコンのステーキ?どう切るんですか?
吉本さん「ダイコンを洗って厚切りですかね。ゴマ油でいためて食べるとすごい美味しいんです。塩コショウかけてもすごい美味しい。」

ーーうわ~お酒飲みたくなるようなメニューですね。こっちのはなんですか?三太郎ダイコンと少し違いますけど。
吉本さん「1番右側のはビタミンダイコンですね。いわゆる青首ダイコンで味も辛めのやつです。」

古来より親しまれるマコモダケ

ーーあれ、これってもしかしてマコモダケですか?
吉本さん「おお!さすが!そうマコモダケ!これはね中華料理屋さんに出荷しているやつなんです。最初は3株もらって、それを少しずつ増やしてようやくここまで大量に栽培できているんですよ。上の葉っぱはマコモ茶に使います。」

ーーお茶・・・ですか?
吉本さん「そうです。マコモの葉には体内の毒素とか老廃物を排出する作用があって、血液を綺麗にしたり自然治癒力をあげる効能があるんですよ。日本ではあまり聞かないかもしれないですけど、マコモダケ自体は中華料理では非常にポピュラーな食材なんですよ。」

ーーお茶があるのは知らなかったです・・・。
吉本さん「最近だと今ハーブ関係でマコモ茶とかクワの葉の茶とか、レモングラスとかそういった要望が多いんですよ。」

ーーすご~い!色々あって楽しいですね!
吉本さん「でもこれ・・・ほとんどお客さんからのリクエストなんです(笑)」

ーーリクエストいただくことってあるんですね。
吉本さん「自分はよくもらいますね。マコモダケって日本だとあまり名前聞かないんですけど、古事記とか日本書紀から名前が乗ってるほど昔から一部には親しまれてきた植物なんですよ。」

ーー古事記!?それってすごい昔からあるんですね。
吉本さん「昔から親しまれてきているだけあって、栄養は折り紙つきですよ。食用にも薬用にも、果てには霊草として使われてきていますからね。」

ーーすごい。歴史のある植物なんですね。
吉本さん「一部では神が宿る草、なんて言われているんですよ。神社でご神体として捧げられていることもあったみたいでね。日本でも河川や湖沼の水辺に群生しているのを見ることが出来ますよ。」

ジャンボブロッコリーと美味しい保存方法

ーーこれはブロッコリーですか?
吉本さん「そうですね。今年は3か所に植えているんですけどその内の1つです。」

ーー3か所も・・・。植わってるブロッコリーの品種とかは違うんですか?」
吉本さん「違いますね。例えば次案内するところにはジャンボブロッコリーが植わっているんです。」

ーージャンボブロッコリー!名前を聞くだけですごい大きそうです。
吉本さん「大きいですよ。ここに植わってるブロッコリーはもう大まかな出荷は終えているんです。これから側枝のちっちゃいやつを2個セットで販売するところです。自分は大きいのと側枝で小さいのを出すんですけど、客さんの中には側枝とか嫌だっていう人もいらっしゃるんです。でも枝用ブロッコリーってそれ専用のもあるわけですから、美味しいんですけどね。」

ーー枝用ブロッコリー!そういったものもあるんですね。
吉本さん「そうなんですよ。あ、こっちがジャンボブロッコリーです。」

ーーうわ、大きい~!
吉本さん「このジャンボブロッコリーは生のまま冷凍するのが1番良いんですよ。1番栄養ある時に生のまま冷凍しておくと、ブロッコリーのシーズンが終わってジャンボがなくなるくらいまでは持ちますので。」

ーー生のまま冷凍は意外でした。茹でてから冷凍かと思ってました。
吉本さん「茹でたら冷蔵庫ですね(笑)」

草と共存して育てる野菜

ーーそれにしても高知の春は早いですね。
吉本さん「そう、春が早いんですよ。」

ーー前来た時と畑の雰囲気が全然違っていて驚きました。
吉本さん「前来た時と比べて草が生えているでしょ。普段は青々としてる畑なんですよ。」

ーーそうなんですね!1回来ただけじゃやっぱりわからない事とか多いですね。
吉本さん「そうですね~。例えば前回言ったかどうかあれなんですけど、ここ周辺って水が豊かなんですね。川が多いので。水がいいとやっぱり作物も良い感じに育ちます。」

ーーなるほど~。だから草が多めに生えているんですか?
吉本さん「いや、これは僕の理念のようなものです。」

ーー理念・・・ですか?
吉本さん「はいそうです。僕は草と共存を目指しているんです。目指しているというか、草と共存している、のほうが正しいですかね。」

ーー草と共存!その草って・・・雑草のことで、あってますか?
吉本さん「はいあってますよ。あ、でも雑草呼びは出来るだけ避けて頂ける嬉しいです。」

ーーえ?わ、わかりました。
吉本さん「よくみんな雑草雑草言うけど、雑草なんで草はないんですよ。」

ーー確かに・・・。
吉本さん「春の七草のように、必ず草にも名前があるでしょう。自分たちはそうやって草の名前を呼んでいます。みんな草を抜いたり薬をかけて枯らしていますけど、草を排除したらだめなんですよ。」

ーーなるほど・・・。
吉本さん「ちなみに1番荒れた畑にはセイタカアワダチソウって草が生えるんですけど知ってますか?」

ーーあの背丈が大きなやつですか?
吉本さん「そうそう。黄色い外来種ね。」

ーーあれって外来種だったんですか!?
吉本さん「そうですよ。あれがねぐ~っと伸びてると1番荒れてる証拠なんですよ。」

ーーそうなんですか?
吉本さん「セイタカアワダチソウっていうのは湿地とか好むんですけど、適応性が高いんですよ。だから休耕田とかに生えてくるんですけど。ただこのセイタカアワダチソウの何が厄介かって、アレロパシーっていう他の植物の生育を阻害する物質を出すんですね。」

ーーそれは・・・畑としては大問題ですね。
吉本さん「でしょう。だからセイタカアワダチソウが生えたままの畑は1番荒れているんです。長年群生している土地だと、もう土にアレロパシーが蓄積してしまって、植物自体が育ちにくい土になってしまうんです。」

ーー致命的じゃないですか!
吉本さん「農家としては致命的ですね。まぁ、こういったように1つ1つの草の名前と特徴を知って、共存して野菜を育てていくのが僕の理想です。」

ーーそうなんですね。私普段からずっと雑草と呼んでいました・・・。
吉本さん「まぁ、普通の人ならそうだと思います。でもやっぱ自然に生えてくる植物をコントロールしようとしたら、もうそれは自然からかけ離れていますよね。だから僕は草と共存した野菜を目指しているんです。

ーーなるほど・・・。大変勉強になりました。本日はありがとうございました。
吉本さん「いえいえ。こちらこそありがとうございました。」

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