循環型農業で山を守りながらエリンギを育てる!鳥取県八頭郡のキノコ農家北村さんを訪問

今回ココノミスタッフが訪問させて頂いたのは、無農薬の空調栽培でおいしいキノコを育てる鳥取県八頭郡の北村さんの農園です。キノコを育てるうえでのこだわりや、栽培方法について、たっぷりと伺いました。

また、国連が採決したSDGs(持続可能な開発のための2030アジェンダ)に貢献するための取り組みなどについても、詳しくお聞きすることができました。

空調栽培で育つおいしいキノコ

ーー本日はよろしくお願いいたします。

北村さん「よろしくお願いします。」

ーー北村さんの農園ではキノコを栽培されているとのことですが、キノコ栽培でのこだわりなどを教えていただけますか?

北村さん「うちは空調栽培という方法でキノコを栽培しています。空調栽培でキノコをつくる場合は、ほとんど高圧殺菌をかけますから、農薬というのはほとんど使わないです。

また成長促進剤なんかを使わないというのも、ひとつのこだわりになります。やはり、お客様から何を使って育てているのか聞かれたとき、ハッキリ答えられるようにしておく必要があると思っているので。」

ーーどういった肥料を使ってキノコを育てているのでしょうか?

北村さん「主にヌカとかを使用します。今は大手さんから紹介された堆積しなくてもいいコーンコブミールという素材で育てているんですが、当社のはアクを抜かないといけません。いくらでも使えるといっても良いものは出ないというのがわかっていたので。ただ3年でも4年でも置いておけば良いものが出るのはわかっていたんですけれど、費用対効果などの関係から2年と決めて育てています。」

奥さま「1年経ったら切り返しをして、散水してろ過をします。樹脂とかが木の中にはありますから、そういうのをろ過して、途中で天地返しをして、また散水してろ過しています。3年寝かせたらすごいものができるっていうのは今までの経験のなかにもあるし、聞いてもきていますけど、場所もあるので・・・。でも2年寝かせれば大体安定したものができますね。ですから2年以上は置くようにしていますね。」

ーーへぇ〜!そうなんですね。

山からの恵みを土へ還す素敵な循環

奥さま「だから山から頂いた材料を使ってキノコを作らせて頂いて、キノコを作ったあとは、瓶の中のものをほじって出して、それをまたお野菜の肥料にしています。土がすごく柔らかくなって、重量も増えるし、お野菜がすごく美味しくなるんです。

だから皆さんすごく欲しがるんです。そうしてまた土へ帰っていきます。」

ーーすごい!素敵な循環ですね。

奥さま「はい、そういう循環が生まれています。」

北村さん「それと他にも、さらに山のものっていうことで竹炭を使いだしたんです。竹炭は保水剤として使っているんですが、キノコにとってはその他のいい成分もあって、それを2月くらいかな?3月?」

奥さま「仕込みは1月から仕込みまして、収穫は3月から。」

北村さん「山が非常に荒れてますので、竹や材木を使うことで山の管理ができて、当社だけじゃなく山にとっても良い状態にすることができます。そういう循環型農業のひとつになるということですね。」

ーー御社がなぜここにあるのかも疑問だったんですが、やはり山に近いほうがいいというのもあるのでしょうか?

北村さん「先代が家内の父で、私は婿に来たんですけど、先代がしいたけを作ったり、鶏や牛を飼ったりしてやっていたんです。でも、なにか天候に左右されないような職業がしたいというようなことで探していたところに、しいたけ絡みで品評会に出したりする良いものを作る職人気質の知り合いがいまして、えのき茸を作ってみないかと言ってくれる人がいたんです。その方の熱意や指導を受けて、じゃあやってみようかってことで、昭和40年から自宅のほうでやり出したってのがはじまりですね。なので、山が近かったからというわけではないです(笑)」

ーーそうなんですね、失礼しました(笑)

国連が採決したSDGsに寄与していきたい

奥さま「だからおが屑を使ってっていうのが、人工の菌床はスタートでしたから、それには立地が良かったのかもしれないです。それが今のように拡大したときに、コーンコブミールというのが圧倒的で、特にエリンギは9割以上を締めています。逆に言うとシンプルにおが屑を使用してっていうのが希少価値が付き始めているんです。」

北村さん「コーンコブミールのほうが保湿作用があって、作りやすいのもあります。我々もおが屑で作ったキノコを、ある大手のしゃぶしゃぶ屋さんから求められていたことがあります。その背景というのは、コーンコブミールの材料となるとうもろこしが遺伝子組換えのものを使用している確率が高いので、そういったものを使用してないキノコが欲しいというご要望からでした。

コーンコブミール以外でとなるとあとはおが屑しかないので、それで我々に回ってきた形ですね。これは山に近い当社だからできることです。それで私共としても、山を守っていくという活動になんとか貢献したいと思っていまして、SDGs(持続可能な開発のための2030アジェンダ)という国連が推進している17項目の国際目標があるんですが、その15番目に「陸の豊かさも守ろう」というのがあるんです。そのSDGsに批准する形で、循環型農業で山を守り、それから田んぼを守って、15番目の目標に寄与していきたいなという気持ちを強く持っています。」

ーーそういうことまでお考えになって、使う物であるとか栽培方法を考えられているのを聞いたのは初めてです。今日そのお話を聞けただけでもとても大変うれしいです!

奥さま「これからココノミさんのお力も借りて、たくさんの人に伝えていけたらなあと思っています。」

ーーお力添えできるように、ココノミも頑張っていきます!

今後はおからを使ったキノコ栽培に挑戦していきたい

ーー今後の目標や、お客様へお伝えしたいことなどあれば教えてください。

奥さま「2年くらい前に、ここのすぐ近くに大手の豆乳メーカーが誘致で来られまして、とても良い状態で乾燥おからができるんです。乾燥おからも豆腐と同じで、時間がたつと酸性度が増して品質が落ちてしまうんです。ところがすぐ近くで作ってすぐですと、品質も良い状態の乾燥おからが手に入るんです。

いま試験でここ2ヶ月ほど使って収穫をずっとしてきているんですけど、良い状態で収穫できています。そうやっておからを使っていくことも、今後やっていきたいことのひとつですね。」

ーーおからはキノコ栽培にとっても良いのでしょうか?

奥さま「おからは保湿作用があるので、キノコも好きみたいですね。ですから、今後キノコの成分が変わって味がかわったとき、また試食していただきたいですね(笑)」

ーーぜひぜひ!めっちゃ気になります!

奥さま「竹炭を入れるようになってからも味の違いを感じたので、結構変わってくるんじゃないかと思います。そういったおからなんかを使うことで、美味しいし品質も良いものを目指して、お客様に「おいしい」と言ってもらえるキノコを作っていくことが、これからも変わらない目標ですね。」

ーーお客様のために挑戦し続ける姿はとても素敵ですね!本日はどうもありがとうございました。

2019.02.23

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