菌床では味わえない美味しさが詰まった原木しいたけ!奈良県吉野郡の岡本さんを訪問

今回ココノミスタッフが訪問させて頂いたのは、奈良県吉野郡で原木しいたけ農家をされている岡本さんの農園です。初めて見る原木しいたけに、ココノミスタッフも驚きの連続でした!

スーパーなどでよく売られている菌床しいたけと原木しいたけの違いや、原木しいたけが美味しい理由などをたっぷり伺いました。原木しいたけの魅力を余すところなくお届けします!

金融業から原木シイタケ農家へ

ーー本日はよろしくお願いします。

岡本さん「よろしくお願いします。」

ーー岡本さんは、ご実家が元々シイタケ農家さんだったのでしょうか?

岡本さん「そうですね、実家がシイタケ農家でした。僕は男兄弟の3人目で、長男が最初継いでて、金融系の会社に就職したんです。でも、就職した途端に兄貴が辞めて、金融に入ったもののなにか違うなと思い始めまして、ものづくりしたいなと。

昔から職人とかに憧れがあったんです。それで、なんかないかなと思ってたら、家のシイタケ農家をやってみようかなと思って。原木シイタケの栽培者自体も少ないし、頑張ってやってみようかなと思って家に戻ってきた感じですね。」

ーーなるほど、そうだったんですね。

ーー1本の木から、大体どのくらいシイタケが採れるのでしょうか?

岡本さん「だいたい平均で1キロくらいですね。」

ーーなるほど。そうなると、ここの施設だけで何トン単位になるんでしょうか…?

岡本さん「そうですね、年間10トンくらいの生産量になります。」

ーーすごいですね。収穫はどのくらいのタイミングでされるのでしょうか?

岡本さん「1日2回ですね。」

ーー2回…。収穫だけでも、結構大変な作業に思えます。

岡本さん「今日はまだ少ないほうですね。」

ーー収穫は手摘みでされるんですか?それともナイフとかで…?

岡本さん「いえ、そのまま手摘みですね。」

ーー逆に包丁とかを入れるとダメなんでしょうか?

岡本さん「う〜ん、やっぱり切り口が傷んでくるのであまりやりませんね。」

栽培は岡本さん、収穫はご家族の分業制

ーーお一人でされるんでしょうか?

岡本さん「収穫は家族に任せています。分業制ってやつですね。僕は基本的に木を動かす作業だけになりますが、収穫があんまり多いときは手伝うこともあります。」

ーー朝のほうがよく採れるとかあるんでしょうか?

岡本さん「そうですね、やっぱり朝のほうが多いですね。昼間に温度が上がって、夕方も少し採れるんですけど、夕方から夜にかけて温度が下がるタイミングの寒暖差で、シイタケ自体がグングン成長していきます。」

ーー朝は何時くらいから収穫されるんでしょうか?

岡本さん「大体5時とか5時半からですね。」

ーー早いですね…。ご家族以外に従業員の方はいらっしゃるんでしょうか?

岡本さん「はい、基本的には家族だけですが、木にシイタケの菌を植えるときだけは別で人を雇っています。菌を年間で12,000〜13,000本の木に植えるんですよ。一本につき50個穴を開けて植えていくので、穴を開ける人と植える人に分かれて作業を行う感じですね。」

ーー菌ってどうやって植えていくんでしょうか?特殊な道具とかですか?

岡本さん「いえ、実は手で入れていくんです。たけのこの里みたいな形をしたやつが、シイタケの菌とセットで売ってるんですよ。それを買って、穴を開けたところに押し込んでいく感じですね。」

ーーそうなんですね。シイタケは一度収穫したら、同じ穴からはもう出てこないのでしょうか?

岡本さん「出てくることもありますが、違う穴からが多いですね。そのうち中で成長して、木の皮を破って出てくることもあります。」

ーーすごいですね、生きてる感じがする(笑)

顔くらい大きなシイタケも!

ーー収穫したシイタケは、出荷まで保存しておけないですよね?

岡本さん「出荷までのタイムラグの関係で、2、3日はおいておくことはありますね。シイタケとかきのこ類って収穫後熱を持つので、冷やしてあげたほうが味持ちが良くなりますね。」

ーーシイタケって一番大きくてどのくらいのサイズになるんでしょうか?

岡本さん「顔くらいになりますね(笑)」

ーーえ、そんなになるんですか(笑)大きいと味が大味になるってあるんでしょうか?

岡本さん「小さくても大きくても変わりませんね。大きい方が噛みごたえがあって、噛めば噛むほど味が出てくる感じですね。ただ、一般的に売られてるくらいのサイズのほうが日持ちするので、商品価値的にはありますね。」

原木シイタケと菌床シイタケの違いはズバリ「味」!

ーー原木シイタケと菌床シイタケの一番大きな違いって何なのでしょうか?

岡本さん「それですね。昔は色々とウンチクを言ってたんですけど、最近は単純に、『原木シイタケのほうがおいしいですよ、裏切りません』と言っています(笑)」

ーー(笑)

岡本さん「味で勝負していますからね。もちろん、そうなんやって言う人もいるし、本当に?って疑う人もいますけどね。でも、食べ比べしたら絶対原木シイタケのほうがおいしいですね。」

ーーやっぱりそうですよね…。

岡本さん「ちょっと話が長くなりますけど、今でこそ改善はされましたけど、菌床っていうのは昔は木自体をチップにするんですよ。チップにして、滅菌して、木だけじゃなくて米ぬかであったりふすま(小麦の殻)を使ったりしています。一番問題なのがトウモロコシのカスで、農薬を使用していたり、安全性に疑いがあったりします。

最近は時代の流れで、できるだけ安全にということで、菌床シイタケ農家もなるべく地元から仕入れたりして、だいぶ改善はされてきて、安全面で言えば原木も菌床も差がないくらいまでにはなってきました。でも、それでもまだ味は原木のほうが美味しいですね。」

ーーなるほど、そういう歴史があったんですね。

味比べでは原木シイタケが圧勝!

岡本さん「大きい声では言えませんけど、昔は菌床シイタケはキノコじゃないなんて悪口も多くて…(笑)でも、最近は菌床農家の人もレベルが上がってきてて、この前卸先の店舗で原木と菌床の食べ比べをしたんですが、美味しかったですね、菌床も。うちのも美味しかったですが(笑)」

ーー食べ比べはどちらが勝ったんですか?

岡本さん「ありがたいことに、10人中10人が、うちのほうが味がしっかりしていると言ってくれました。」

ーーおお〜。

岡本さん「やっぱり栽培期間が違うので、菌床シイタケが3ヶ月くらいなのに対して、うちの原木シイタケは平均1年くらい、早いもので8ヶ月くらいです。木自体の固まった繊維のところをシイタケは一生懸命食べて広がっていくんですが、混じりっけなしなので、やっぱり時間をかけて栽培したほうが美味しくなりますよね。」

ーー本日はどうもありがとうございました。

2018.12.20

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