兵庫県洲本市で微生物に寄り添う野菜作り!無農薬農家の花岡さん訪問

生産者インタビュー

おいしい野菜を求めて兵庫県洲本市へ

今回ココノミスタッフが訪問させて頂いたのは、兵庫県洲本市で無農薬・無肥料農家を営む花岡さんの農場です。

農場のある洲本市は淡路島の西海岸中央部にあり、農業と漁業が盛んな土地で、瀬戸内海式気候に属しているため温暖で暮らしやすいのが特徴です。

土壌の良し悪しは畑によってバラバラで、ふわふわで水はけのよい畑と、粘土質で水はけが悪い畑があるそうです。

ふわふわな土壌の畑は玉ねぎやジャガイモが大きく育つそうですが、1番おいしいジャガイモは粘土質の土壌の畑から採れたのだとか。

土壌の性質だけではなく、野菜との相性やタイミング、気候などの問題があるので、一面だけを見て良し悪しを判断することは難しい、と語っておられました。

山の溜池の水を使用しているとのことでしたので、山のミネラルが野菜に吸収されているのかもしれません。

酪農の経験を経て、父の農園を継ぐことに

元々自然が好きだった花岡さんは、高校卒業後に自然が多い北海道の大学へ進学し保育士の免許を取得します。

北海道で過ごすうちに畜産に興味が沸き、大学卒業後は畜産関係の仕事に就きたいと思うようになりました。

しかし、日本の畜産業が牛を使い捨てにしていると感じていた花岡さんは、自然と調和して牛を育てている放牧酪農に惹かれ、熊本へ渡って放牧酪農の仕事に就きました

熊本で放牧酪農の仕事を続けながら、やはり地元の淡路島で仕事をしたいと思うようになりました。

そしてUターンで淡路島へ戻り、淡路島の自然と循環する「有機農業」をしようと考え、現在の父の農園を継いだそうです。

5年前から無肥料の自然農法に挑戦

当初は有機農業としてスタートした花岡さんの農場ですが、5年ほど前から農薬も有機肥料も使用しない自然栽培へシフトしました。

その理由は、有機農業の本来の意味に気付いたからです。

「そもそも有機農業とは、循環し持続していく農法のはずなのに、有機肥料を買って畑に入れているのは本質からズレてしまっている。

自然の恵みを分けてもらいながら農業をしたい。自然のバランスを崩したら意味が無いんです。」

花岡さんはそう私たちに語ってくれました。

しかし、無肥料で農業をすることは簡単なことではなく、有機栽培と比べると半分程度にまで収穫量が落ちてしまったそうです。

それでも自然栽培を続けるのは、花岡さんが微生物の力、自然の力を信じているからでした。

アーバスキュラー菌根菌の力を借りて野菜を育てる

無肥料の自然農法で重要なのが、微生物の力を借りることです。

植物の根にはアーバスキュラー菌根菌という微生物が元々住みついているのですが、豊富な養分を野菜に与えると、アーバスキュラー菌根菌は死滅してしまうと言われています。

しかし、5年ほど自然農法を続けると、土中の微生物の数が爆発的に増えて、おいしい野菜を作れるようになると言われているそうです。

自然栽培で大切なのは、「土の様子を観察し、微生物の状態を整えること」と仰っておられました。

自然と調和した農業で、おいしい野菜を作り続ける

有機肥料を使用した有機農業に疑問をいだき、難しい自然農法に挑戦する花岡さんの夢。

それは、自然と調和した農業でおいしい野菜をたくさん作り、それを世間に伝えていくことなのだそうです。

そんな花岡さんの畑で採れたイチオシ野菜は『人参』。

自然農法で育った人参は、人参本来の味がしっかりとしていて、ハーブのような味わいもあるそうです。

花岡さんの自然農法で作った美味しい野菜を、たくさんの人が味わうのも、もうすぐそこまで来ていると感じました。

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