無加温のハウス半促成栽培で作る美味しい有機野菜!滋賀県長浜市の小菅さんを訪問

生産者インタビュー

今回ココノミスタッフが訪問させて頂いたのは、有機栽培でおいしい野菜を育てる滋賀県長浜市の小菅さんの農園です。無加温のハウス半促成栽培で作るキュウリやトマトの見学や、トマトを美味しく育てるコツも伺うことができました。

その他にも、使用している肥料についてや、小菅さんが農業をはじめたキッカケについてもお聞きすることができました。

無加温のハウス半促成栽培で作るキュウリ

ーーこんにちは。本日はよろしくお願いします(笑)
小菅さん「はい、こちらこそよろしくお願いします。」

ーーこれは、キュウリですか?
小菅さん「はい、キュウリです。」

ーー結構、早いですよね?
小菅さん「そうです。例年でいくと、4月末から採れ始めます。」

ーー4月の末ですか?普通なら4月くらいから植えませんか?
小菅さん「そうですね。露地栽培だと、ここら辺は、ゴールデンウイークくらいに植えますね。これは、無加温のハウス半促成栽培という栽培方法です。」

ーー無加温というと、温かくしないという事ですか?
小菅さん「暖房をたかないということです。ハウスを閉めて、内張りカーテンといってビニールで囲って、さらに畝に小トンネルを設置して囲ってあげる、という3重にしてあります。」

ーー3重とはすごいです!
小菅さん「それでも、今年はけっこう冷え込んでいますね。5度とか3度の日もあったかな?」

ーー今年は寒いですね。
小菅さん「3月でも雪が降りましたね。キュウリって、デリケートでしてめちゃくちゃ弱いのですよ。これ、見てもらったらわかりますが、葉が、多分やけているのですよ。」

ーー下の方の葉ですね。
小菅さん「日中の温度が高いので焼けてしまって、かと言って、まだ寒いから、上の葉は低温で障害が出てきてしまいました。」

ーー寒暖差がありますから。
小菅さん「日中、外は17度くらいでも、ハウス内は30度くらいありますから。日が落ちると、6度くらいにさがりますね。20度くらいの温度差がありますね。」

ーー差がすごいですね。
小菅さん「ちょっと今年は、大変だと思いますね。」

ーー出だしがこうだと心配ですね。上手く育ってくれればいいですね。
小菅さん「本当に。大体、4月末くらいから収穫して、7月の10日くらいまでは、採るかんじですね。これが、僕は春作と呼んでいますが、春のキュウリがそんな予定ですね。」

ーーなるほど。今は寒いのでハウスのみで、やられているのですか?
小菅さん「そうです。今はハウスしかやっていません。冬は葉物を別のハウスでやりますが、今はトマトが植えてあります。ここは、今はキュウリ専用のハウスですね。秋は、ここはトマトになります。」

ーーへぇ~!

トマトは厳しい環境のほうが美味しく育つ

小菅さん「こちらにどうぞ。トマトとキュウリです。キュウリは、3月15日に植えましたが、トマトは3月1日に植えました。トマトは、キュウリよりも、強いですよ。」

ーートマトって強いのですか。水やりとかは、大変ではないですか?
小菅さん「逆に水をあまり与えません。でも、与えなさすぎれば、問題が起きますね。水加減は難しいですね。ここら辺だと、トマトはプランターで栽培している方が多いですね。」

ーープランターですか。
小菅さん「少量土壌培地耕という栽培方法です。プランターに苗を植えて、液肥で管理する。初心者でもやりやすい栽培方法です。イチゴとかも少量土壌培地耕で栽培しますね。マニュアルが出来ていますから、それの通りにやれば出来ます。でも、味が違うのですよ。見た目は、綺麗ですが水っぽいですね。量もたくさん採れますが。」

ーーたまにスーパーマーケットとかにありますね。綺麗だけど、トマトの味と香りがしない物。
小菅さん「収量や見た目のきれいさを求めると、水を上げる量は増えてきます。うちの場合は極力、水は控えめで。こっちが気を付けても、雨の量が多かったりすると、管理が難しくなります。」

ーーハウスでも雨の影響があるのですか?
小菅さん「すごく降ると、水が入りますね。ここも水がつきますし。次の日は、ミニトマトがみんな、割れていたりしますね。去年はやられてしまって、ミニトマトなんかは食べても、水っぽくて。」

ーートマトは厳しい環境がいいのですよね?
小菅さん「そう思います。極力、水を与えないとか。厳しすぎても、問題が起こるので、その加減が難しいです。逆に、キュウリは水を欲します。」

ーー(笑)トマトとキュウリ、隣同士ですけどキュウリは水がもらえるのですね。
小菅さん「ジャンジャンあげますね(笑)お互いに影響はないみたいです。今年、トマトは3月1日に植えたのは初めてなのです。」

ーー初ですか。では、いつもは何時くらいに植えるのですか?
小菅さん「3月末です。初めてなもので、ハウス全部をそれにするのは怖かったですね。でも、この感じだとやってもいいかな?」

ーーなるほど。トマトの収穫はどれくらいになりますか?キュウリと同じくらい?
小菅さん「5月半ばですかね。大体、キュウリで1ヶ月、トマトで2ヶ月半、それくらいに収穫できますね。」

ーーゴールデンウイークからポツポツと採れるかんじですね。
小菅さん「そうです。それで一番、忙しい時期は6月ですね。キュウリもトマトもピークを迎えますから。」

基本はすべてお一人で作業

ーー収穫は、全部お一人でするのですか?
小菅さん「一人です。今年からは、週に1回、パートさんに入ってもらえる事になりましたね。」

ーー去年は大変でしたね。暑い日が多かったですし。
小菅さん「そうですね。収穫をして、出荷管理もして、枝の管理をする。そんな感じでしたね。」

ーーお一人で。凄い!
小菅さん「(笑)」

ーーここは乾燥していますね。水捌けがいいのですか?
小菅さん「水捌けもいいですが、ここは風が通るので乾燥していますね。」

ーーなるほど。土作りでこだわっている事はありますか?
小菅さん「そうですね。土作りには力を入れようと思っていまして。でも、自分で堆肥を作れるかというと、手間も材料もなくて。今は、完熟もみ殻堆肥を、岐阜県の関ヶ原から運んで来て入れたり、後は微生物資材を入れますね。年に2回作付け前に土壌分析をします。」

ーー2回というと春と秋?
小菅さん「そうです。で、今はあそこでやっていますが、栽培終了後、撤去した作物とか刈り草とかを山積みにして、堆肥化した物をちょっとづつ入れていけたらなと。」

ーー上手くいくといいですね。肥料は有機肥料だけですか?
小菅さん「そうですね。一応、ミネラル分といわれる石灰とかマグネシウムとかは、土壌分析して、どれくらい入れるのかを計算しています。うちは、全部、有機JAS適合の肥料ですね。」

ーー農薬の方は使用していますか?
小菅さん「有機JASで認められている分の農薬を使ったりはします。」

ーーどのような物ですか?
小菅さん「BT剤という農薬です。天敵微生物系の農薬ですね。有機JASでも使っていいですよっていう農薬があります。例えば、粘着君(水和剤)っていうアブラムシを殺す農薬があります。あれ、実はデンプンなのですよ(笑)」

ーーそういう物があるのですね(笑)

農業をはじめたキッカケについて

ーー農業を始められて何年ですか?
小菅さん「今年で4年目です。まだまだこれからですね。」

ーー4年ですか。以前は何をしていましたか?
小菅さん「大阪で設計の会社で働いていました。」

ーー設計から農業をやるようになったのは、何故ですか?
小菅さん「よく聞かれます(笑)大阪にいた時は、一人暮らしでして。朝から深夜まで仕事で、ずっと外食だったのです。実家が田舎で、自分たちの食べるくらいの野菜を作っていまして、子供の時はそれが当たり前で、特に美味しいとは思わなかったのですが、3食外食の生活を続けていると、やっぱり美味しいと思ったのですよ。それで、自分の食べる物を自分で作っているという生活が凄いと、思うようになりまして。休みが取れた時に実家に帰り、畑で家庭菜園をやっていましたね。今は、それの延長でやり始めたと(笑)」

ーー素敵ですね(笑)
小菅さん「大体、こんな感じですね(笑)」

ーー今日はありがとうございました(笑)今後もよろしくお願いします。
小菅さん「こちらこそよろしくお願いします(笑)」

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