除草剤を使わず丹精込めた柿栽培!和歌山県橋本市の小林さん訪問

生産者インタビュー

今回ココノミスタッフが訪問させて頂いたのは、和歌山県橋本市で柿農家をされている小林さんの農園です。

ご夫婦で広大な農園の切り盛りをされていて、それだけでも大変なのに、食べる人の健康を気遣って除草剤は使わずに栽培されているそうです。

また、銀色のシートを地面に敷くなど、おいしい柿を作るためにされている工夫をたっぷり伺いました。

ご夫婦の優しそうなお人柄にも注目です。

広大な農園をお二人で管理

ーー本日はよろしくお願いいたします。

小林さん「よろしくお願いします。」

ーーここが柿農園ですね。わ〜、広い!

小林さん「これが富有柿です。」

奥様「このごろね、イノシシが来るんですわ。草の無いところを狙って、ミミズをほじくってるんですわ。」

ーーミミズを食べに来るんですね。

奥様「それもありますけど、冬は柿も食べる。下の枝のやつとか、手の届くところはみんな食べられちゃいます。」

ーーそれは大変ですね。

奥様「ここも実がないでしょ?全部食べられたんですわ。」

ーーあらら・・・。

小林さん「一応この辺はイノシシが入らんように囲ってるんですけどね。」

ーーなるほどです。

小林さん「除草剤やってないから草が生えてきてます。銀紙敷くと早く赤くなります。」

奥様「ここに添え木してあるでしょう?こうすると早く大きくなって赤くなるんです。そのかわり、台風が来ると折れちゃいます。今年もだいぶ折れました。」

ーーなるほど。あ、栗もあるんですね。

奥様「これ山栗なんです。」

小林さん「栗もね、柿取りで忙しいから、あまり手が回ってないですね。」

ーー農園の管理はお二人でされてるんですか?

奥様「そうそう、二人でやってます。」

ーー剪定もされてるんですね。

奥様「そうそう、農協で講習があるから。」

ーーやっぱり各農家さんごとにどいういう風に切るかとか、こだわりがあるんでしょうか?

奥様「あ〜、こだわりねえ。でもまあ農協で教えてくれるんで、陽が当たるように切ったりね。」

ーー葉っぱも摘んだりするんですか?

奥様「葉っぱも摘んだほうが良いけど・・・そんなにしてる暇がないです(笑)たしかに葉っぱ取ったほうが汚染されにくいのはあるんですけどねえ。」

ーーこっちの方も、全部小林さんの畑ですか?

小林さん「そうそう、山も。栗もそう。」

柿作りに欠かせない消毒

ーーすごい、良いですね・・・。栗はご自宅用ですか?

奥様「そうですねえ、そんなに売るほどでは・・・(笑)」

小林さん「虫も多くてね。」

奥様「柿の消毒もあるでしょう?栗は柿の近くにあるから、消毒が当たったら出荷できないからねえ。もう柿が主です。」

ーーなるほど、それはそうですね。ちなみに柿の消毒というのは、どういう風にするんですか?葉っぱに散布する感じなのでしょうか?

奥様「そうですね、散布するんです。葉っぱだけじゃなくて実にも。一回につき、2〜3種類の消毒液を組み合わせて使ってます。農協の指導のもとでですけどね。勝手にしてるわけじゃないですよ(笑)」

ーーそうですよね(笑)

奥様「はい、我流じゃありません(笑)でもそれをしないと、虫に食べられたりして汚くなって出荷できなくなるんですよ。」

ーーそうですよね、果物ってすごい難しいって色々な方から言われています。

小林さん「消毒してても、カメムシとかにやられてしまう場合もあるしね。」

奥様「そうそう、しててもああですからね。野菜も植えなくちゃいけないけど、柿が大変でちょっとね・・・。」

ーーそうですよね、手が回りませんよね。

奥様「ブロッコリーとか植えたいんですけどね(笑)」

ーーブロッコリーいいなあ!

台風のときは未明から収穫

小林さん「今年は雨が多いでしょう?9月。だから、雨のときは採った柿をタオルで拭いて、扇風機で乾かさなあかんのです。」

ーー収穫する時間は決まってるんですか?

小林さん「いやいや、明るくなったらもうすることもあるよ。この前の台風のときなんかは明朝からやね。雨降ってようが一つでも多くとらなあかんから、必死でやったんですよ。」

ーー台風のときは大変ですね。

小林さん「まあ思ったより台風がそれてくれて良かったけどね。21号のときは大変だったね。」

ーー富有柿はいつごろご出荷なんでしょうか?

小林さん「10月の下旬くらいからです。この木はまだあまり採れてないですね。もうほんまは取らなダメなんですけどね。」

ーーどのくらいが収穫しどきとかってあるのでしょうか?

小林さん「丁度このくらいの色やね。でも収穫するときは赤く見えても、実は青かったとかあるけどね。」

奥様「そうやねえ。カゴに入れたら青とかねえ。」

ーーそんなこともあるんですね。この周辺でカゴ何個分になるんでしょうか?

小林さん「カゴ?そんなんは数えてへんからわからへんな(笑)」

奥様「そんなん考える暇がないです(笑)」

ーー肥料は定期的に撒くのでしょうか?

奥様「時期があるんです。3月には千代田化成まいたり。」

小林さん「あとは6月と、収穫後の10月終わりくらいかな。」

奥様「柿の種類によって少し変わりますけどね。」

ーー肥料って何が入っているのでしょうか?

小林さん「農協でレシピがあって、それに沿って作ってる感じですね。」

奥様「元肥は鶏糞だったり牛糞だったりやね。前はね、シイタケの菌床の粉があるんですけどね、そんなんを貰いにいってばら撒いたりしましたねえ。」

ーーなるほど、そうなんですね。

食べる人の体のために、除草剤は使わない

ーーこのあたりは柿農家さんがたくさんいらっしゃいますよね。

小林さん「そうそう、みんな同じような柿つくってますわ。」

ーーどのくらい農家さんいらっしゃるんですか?

小林さん「柿農家どのくらいおるかな?」

奥様「知らん。」

ーー(笑)

奥様「大概けど、除草剤はみんな撒いてはる。うちは撒いとらんけどね。」

ーー除草剤を撒かない理由ってあるのでしょうか?

奥様「やっぱり体にええことないからね。畑の野菜にしたって。」

ーーやっぱり撒くと木にも影響するんでしょうか?

小林さん「やっぱりすると思いますよ。お客さんからは除草剤つかってないほうが味が良いって感想も頂いてますよ。」

ーーそうなんですね。あの高い位置の柿は脚立とか使ってとるんですか?

小林さん「そうそう。でも脚立も置く場所を工夫しないと、真下に置いても採れないし、うまくずらしたりしないとダメですね。」

ーー脚立から落ちちゃったりして、お怪我をされたこととかないんですか?

小林さん「昔、みかん採る時に落ちたことはあるな。で、圧迫骨折した。30歳くらいのときかな。」

奥様「30?40くらいじゃなかった?」

小林さん「45くらいやったかな。厄年みたいなこと言っとったわ(笑)」

ーー厄年・・・。

奥様「私もね、ドブの上で脚立から落ちた。なんともなかったけど、やっぱり3日から4日はしんどかったね(笑)」

ーーそれはそうですよね(笑)

旦那さんのために育て始めたキウイ

小林さん「あれがキウイ。」

奥様「キウイは夏にもっと水やればよかったと思ってて・・・。」

小林さん「ほんとはもっと間引かなあかんのですわ。」

奥様「昔はもっと一杯ぶわーっとできてたんですよ。」

ーーへぇ〜、すごいですね。キウイもご出荷されてるんですか?

小林さん「いやいや、親戚とか子供とかにやるくらいですね。」

ーーキウイも売って欲しいです(笑)

奥様「そのためには、木をもうちょっとちゃんとしないとねえ。」

ーーキウイを育て始めたキッカケって何かあるんでしょうか?元々あったとかですか?

奥様「いやいや、主人がキウイを買って食べるからねえ。それなら植えようかって感じで。そしたら作ったら食べないんですよ(笑)」

ーーたまにがよかったんですかね(笑)

奥様「買ってだったら食べるのに、なんでやのんって感じですね(笑)」

ーー柿の木の下に敷いているシートが銀色の理由って何かあるんですか?

奥様「太陽の光が反射して実が早く赤くなるんですよね。」

小林さん「あと、表面がキレイになるんです。シートを敷かずに草のままだったら、虫とかの影響で柿の表面がザラザラっとするんですけどね。」

ーーなるほど、そういう理由だったんですね。

奥様「いつもはもっと敷くんですけど、今年はなかなか・・・。」

ーー銀色のシートを引いてるのって小林さんの農園くらいですか?あんまり見ないきがするんですけど・・・。

小林さん「してるところはしてると思いますけどね。」

奥様「昔はようしてはったんですよ。ただ手間がかかるから・・・。直して干さないと銀紙が剥がれるし。案外高いんですよね。」

ーーすごいお手間がかかってるんですね。本日はお忙しい中お話を聞かせていただいて、どうもありがとうございました。

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