無農薬でショウガをつくる!高知県高知市の大崎さん訪問

生産者インタビュー

今回ココノミスタッフが訪問させて頂いたのは、無農薬でショウガを栽培されている高知県高知市の大崎さんの農園です。取材の中で、「無農薬でショウガを作るのは難しい」と大崎さん自身おっしゃられていますが、なぜ難しいのかについて伺うことができました。

また、土壌改良材や微生物など、おいしいショウガを育てるための土をつくる工夫についてもたっぷりとお聞きすることができました。

究極の無農薬は自生させること

ーーこんにちは(笑)今日はよろしくお願いします。
大崎さん「こんにちは(笑)」

ーーショウガって、無農薬で作るのは難しいですか?
大崎さん「難しいですよ。」

ーー何か秘訣とかありますか?(笑)
大崎さん「そうですね。土にある物で植物に適した土を作る。それで育つという考えですね。どうしても足りない物は、限られた範囲内で、農薬等が入っていない物を持ってきて入れるのは、次の段階ではOKですよ。本当はその土地の力で作るという考え方です。なかなか栽培するのは難しいですね。究極は自生させるという事ですね。やっぱり足りない物があるので、そういう物は法律の定められた範囲で補充してあげる。自分で食べる分には問題ないですが、売るとなると多少収量も確保しないといけないので、ちょっと足りない物を足してあげる、ということは必要ですね。」

ーーなるほど。そういえばここ、すごく水が豊富ですね!
大崎さん「はい。でも、下を流れているんですよね。」

ーーだから水を上にあげる必要があるんですね。ショウガはあとどれくらいで収穫ですか?
大崎さん「11月くらいですね。11月まで大きくなります。1つで、ショウガが20本くらいになります。」

ーーえ~!すごい!
大崎さん「葉っぱも増えて、胸くらいの高さになります。」

ーーもっと、高さも伸びるのですね。
大崎さん「そうすると、下に芋が出来て、ショウガの形になります。ショウガの形になった物が、横に芽を出して、またこれがショウガになります。」

ーーなるほど。大きさ的には、順調ですか?
大崎さん「もっと大きくなりますよ。今はまだちょっと小さいですね。」

ーー最近、天気が悪かったからですかね?
大崎さん「どうだろう?梅の花も2月でしょう?それも半月くらい遅かったですね。今年はちょっと遅めですね。」

ーーそうですね。去年と比べると。
大崎さん「前年と比べるとね。」

連作障害がひとつの課題

ーーここはずっとショウガの畑ですか?
大崎さん「何年か休ませていましたね。ショウガの栽培は2009年に始めて、今年で10年になりますね。」

ーー休ませていたのですか。
大崎さん「やっぱり、連作障害がひとつの課題ですね。ないっていう説もありますが、試してみても上手くいってないのが現状です。理屈上は多分大丈夫なのですが。」

ーー色んな話を聞きますね、ショウガに関しては。
大崎さん「そうですね。」

ーー連作出来るという人もいれば、障害が起きるという人もいますね。場所にもよると思いますが。
大崎さん「そうですね。全て同じ環境ではないですから。」

ーーそうですね。向き不向きもありますよね。
大崎さん「ありますね。」

ーーこの時期は草取りばかりですか?
大崎さん「今は台風が来たりするので、こういうネットを張ったりします。根本から折れてしまうので。」

ーーそのためのネットだったのですね。虫よけにも見えないし、なんのためだろうと思っていました(笑)
大崎さん「(笑)」

ーーこれで台風を防ぐのですね。
大崎さん「今年はまだ来てないからここは張っているけど、あと4反近くはまだネットを張ってないのですよ。」

ーーここよりさらに多い量の場所は、まだなのですね。
大崎さん「そうなのですよ(笑)」

有機栽培のショウガは甘くなる?!

ーーやっぱり、有機栽培で作るとショウガの味は違いますか?
大崎さん「違うと思いますよ。」

ーーここが際立って違う、というポイントとかありますか?
大崎さん「濃いって言われますね。」

ーー濃い?
大崎さん「味が、です。人によっては甘いという人もいますね。」

ーーショウガが甘いのですか。
大崎さん「ただ、辛いだけじゃなくて果物的な感じで。全体的に味が濃いとは言われますね。」

ーー味が濃いということは、じっくりと蓄えてくれているのですね。
大崎さん「見てもらったらわかります。結構綺麗に手をかけていますよ。」

ーーそうなのですね!
大崎さん「スタッフは朝6時くらいから出て作業します。」

ーー朝早いですね。
大崎さん「日中は暑くて作業が出来ないので、朝早い時間から始めます。それで昼くらいに終わります。」

ーー今、外に出ていたら駄目な時間ですね(笑)
大崎さん「今一番、暑い時間ですね(笑)」

ショウガ畑を見学!

ーーショウガが土から見えていますね。これは、大丈夫ですか?
大崎さん「本当は土をかけなきゃいけない。青くなっちゃうので。」

ーーショウガが土から見えていると、青くなるのですね。ニンジンみたいですね。
大崎さん「青くなっても大丈夫ですけどね。」

ーージャガイモは緑だと毒がありますが、ショウガは青くても大丈夫なのですね。
大崎さん「見た目が悪くなるだけですね。」

ーーでも、見た目って大事ですよね。青くても大丈夫です。とお客さんには言いますね(笑)
大崎さん「お願いします(笑)」

ーー土地に特徴などはありますか?
大崎さん「ここは小さな渓流ですけど災害が発生した時は川から土が上がってきます。」

ーーえ~!大変ですね!
大崎さん「以前に田んぼをやっていた時と合わせると、何回も土が上がってきていますね。」

ーーそんなに増えるのですね。
大崎さん「だから川の砂地に近い感じですね。山の頂上は赤くてネバネバした土です。」

ーーここだけでも川側と山側では全然違うのですね。
大崎さん「土が良ければ、どういう管理をしているかが重要ですね。単純に言うと、農薬をバンバン使ってやってきたか、農薬を使わずに枯草を入れてやってきたのか、の違いです。山側で作ろうが川側で作ろうが、今のやり方で作ったショウガは大体同じ姿、同じ味と言われますね。」

ーーなるほど。愛情ですね(笑)

土壌改良材や微生物を活用

大崎さん「ここは堆肥を作っている場所です。家畜の糞を発酵させて、畑に返してきた昔の作り方です。それを自動化してやっています。」

ーー行ったり来たりしていますね。
大崎さん「土壌改良材を混ぜています。これを混ぜる事によって、土が自然の力で元気になります。」

ーーこれの元になっている物はなんですか?
大崎さん「一番多いのが牛の糞ですね。畜産の糞を主原料にして、野菜の屑、最近では肉や魚をもらってきて、ここで混ぜています。生協店舗に協力してもらって、普通に食べられそうな魚とか野菜も入ってきますね。」

ーー勿体無いですね。
大崎さん「ビックリしますよ(笑)」

ーー勿体無いですけど、環境にはいいですね。
大崎さん「無駄にしないで使っていますからね。臭くないでしょう?」

ーー臭くないです。
大崎さん「もっと向こうに行ったら臭いですけど(笑)」

ーーどれくらい前からやっているのですか?
大崎さん「もう26年くらい前ですね。」

ーーすごいですね!ここから持って行って畑に撒くのですね。
大崎さん「そうです。ここまでくると、もう土ですね。山の土みたいでしょう?」

ーー山の土の香りがしますね。たくさんありますが、何年分くらいあるのですか?
大崎さん「1年分もないですね(笑)」

ーー1年持たない!?これだけあるのに。
大崎さん「ビックリしますよね。」

ーーこんな立派な施設があるのも凄いですね。
大崎さん「他にも微生物を水で培養している施設もあります。」

ーー特別な微生物ですか?
大崎さん「特別な物ではないですよ。自然界にいる微生物です。無味無臭の液体で元気のない植物に与えると元気になりますよ。希釈して動物に与えてもね。これをショウガの畑にも撒きます。」

ーーすごいですね!
大崎さん「あんまり見かけないと思いますよ。」

ーーなるほど。環境にいい取り組みもしているのですね。今日はいっぱい勉強させてもらいました。ありがとうございました(笑)
大崎さん「こちらこそ、ありがとうございました(笑)」

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