『宇治は茶所、茶は政所』と茶摘み歌があります。知る人ぞ知る実生在来種、幻の銘茶です。 安心して美味しく飲めるお茶を作りたいと、手を掛けていますが、手を加えず自然のままに大切 に育てております。

▼きの花政所茶の特徴
永源寺山奥の秘境で、室町時代から続く茶樹を昔ながらの農法で引き継いで参りました。

【安心】
・農薬、化学肥料等はもちろん動物性肥料も一切使用していない自然栽培で育ったお茶です。

【味と香り】
政所の中でも一番高所に位置し、山の崖地で栽培されています。
・傾斜により水捌けが良く、絶えずきれいな山水を吸い上げます。
・実生在来種は挿し木による植替えが行われないため、年月かけてしっかりと地に根を張り栄養 を蓄えますので茶葉に厚みが出ます。
・山間の日照時間が短い茶園は自然に玉露の要素が入り旨味となります。
・雪深い立地で育つ越冬茶なので甘みがあります。
・茶摘みは熟練者の手作業で行います。芽摘みに拘り、繊細な茶葉を丁寧に扱います。
・個性ある在来種、きの花の政所茶は品評会など過去何度も高品質と評価されております。

【稀少性】
個性のある在来種の栽培は難しく国内でも数パーセントと言われております。500 平米ほどの茶園は柵(害獣対策)で囲い大切に育てております。生産量は限られておりますので、非常に稀少です。きの花政所紅茶は1番茶(ファーストフラッシュ)のみを使用し2度醗酵させた拘りの逸品です。
平番茶は番茶の形状としても珍しい葉のままのかたちです。 特に夏平番茶は手摘み農家からしか出ませんので更に稀少です。

【歴史】
「政所(まんどころ)」は茶樹とともに室町時代頃の史跡が遺されている木地師発祥の地でもあります。文化財となった 30もの能面が小さな神社に保管されています。
当時は朝廷や彦根藩などに献上されるなど、一般には手が届きにくいものだったと言われております。僧侶や木地師により各地へ届けられていったのではと推察されており、石田三成の三献茶 の逸話となったという話もあります。 先人に思いを馳せながら、日本茶古来からの味をお愉しみいただけますと幸いです。

バイヤーコメント

日本に30数件しかないお茶の在来種である政所茶を育てている、きの花さんの紅茶です。
きの花さんはその中でも上質なお茶を栽培しており、焙煎まで自ら行うこだわりのあるお茶農家さんです。

まず最初に紅茶の香りを味わってみてください。よい香りに包まれ、リラックスした気分になれます。
味は紅茶の味が一瞬強くあらわれて、その後スッと後味が引かない、さっぱりとしつつも紅茶特有の苦みが主張するものでした。
一般的な紅茶と比べると、圧倒的に政所紅茶のほうが存在感があります。普通の紅茶は香りがするけれども、味がぼやけていることが多いですが、こちらは「居合い抜き」のように瞬間的な味わいが広がった後、何もなかったかのように消えてゆくのがこの政所茶の特徴です。
茶葉は全て手摘み。そのこだわりがあるからこそ雑味のない仕上がりになっています。

容量が少なく感じられるかもしれませんが、何度いれても濃い味が持続するお茶です。1回だけではなく、2回、3回といれてみてください。

また、お菓子の材料としてもお使いいただけます。贅沢な使い方ではありますが、必ずや素晴らしいアクセントになります。