安全をまず第一に考えたい!岡山県津山市で無農薬のお米農家を営む中尾さんを訪問
今回ココノミスタッフが訪問させて頂いたのは、岡山県津山市でお米農家を営む中尾さんの農園です。籾を乾燥させる乾燥機や、籾取りをする籾摺り機、異物を取り除く色彩選別機などを見学させて頂きました。
その他にも、お米づくりで大事にしている信念や、お米をおいしく食べる方法についても伺うことができました!
乾燥機や籾摺り機を見学!
ーーこんにちは。よろしくお願いします。
中尾さん「こんにちは。」
ーーこの大きい機械は何ですか?凄く大きい。
中尾さん「これは、乾燥機です。稲を田んぼから持って来て、籾を乾燥させます。」
ーーこんな大きい乾燥機、なかなか見ませんね。
娘さん「この大きさだと大体、農協さんが使ってますね。」
ーー本当に大きいですね!
中尾さん「これが籾摺り機です。籾取りをしたのは、はねめを通って屑米が抜けるようになっています。屑米を抜いた後に、色彩選別機にかけます。」
ーーああ。この機械は知っています(笑)
中尾さん「これで虫とか、確実ではないですが、異物をほとんど取り除くことができます。今度は石抜き機で石を抜きます。これも100%ではないですが。」
ーー凄いですね!何回も選別するのですね。
中尾さん「1、2、3、4回選別しますね。それから、計量して袋詰めします。」
ーーこんなに選別することあります?
中尾さん「うちはします。普通は選別機にかけておわりですね。」
ーーこれはこだわりですね!こんなにやっている人は、聞いた事ないです!
中尾さん「これだけやっても、100%じゃないですよ。」
1袋30㎏のお米を積むのは娘さんとの共同作業
ーーいつからやってらっしゃいますか?20年以上前からですか?
中尾さん「はい。設備投資に相当お金かけました(笑)これは、コンプレッサーですが、異物を抜くために、エアーでビューっと。」
ーーこれはどの段階で使用しますか?
中尾さん「籾取りする時に一緒にやります。袋詰めしたのは、こっちに置いてあります。」
ーーわぁ!滅茶苦茶たくさんありますね!
中尾さん「1袋で30㎏あります。」
ーーこんなにたくさんあると、上げたり下げたり、大変ですね。
中尾さん「フォークリフトを使いますが、積むのは人力です。」
ーーこれ、お一人で?
中尾さん「娘が手伝ってくれます。」
ーーこれは大変だ。今の時期から始まりますか?
中尾さん「一般の人は、早い人は、8月の終わりから稲刈りして、9月いっぱいほとんど籾摺りして、遅い人でも10月の初めくらい。でも、うちは10月の中頃から初めて、今11月の中頃くらいで稲刈りをして、籾摺りが終わった所です。」
ーー全部が終了するのは、いつぐらいになりますか?
中尾さん「後は片付けと、これが終わったら外ですね。草を刈って、稲わらがかたまっていたら、まんべんなく広げたり、圃場の乾きにくい所に土をいれたり、コンバインのタイヤの跡があると雨水が溜まるので、溝をつけて、水が抜けるようにしたり。」
ーー冬場も色々な作業がありますね。お米を作るのは、本当に大変ですね。
中尾さん「大変ですよ。今の人はあんまり米を食べなくなっていますね。」
二度炊きで玄米が美味しくなる?!
ーーそうですね。
中尾さん「一番いい食品なのにね。美味しい食べ方がありますよ。炊くときに、少し小豆を入れます。よく合いますよ、玄米に。」
ーー玄米と小豆ですか?
中尾さん「小豆はちょっとでいいですよ。」
ーー発酵玄米ですか?
中尾さん「発酵玄米じゃないですよ。水に漬けた玄米をお粥炊きで炊きます。水を普通のお粥炊きより多めに入れてね。それで、炊けたらもう一度、炊きます。二度炊きします。」
ーー二度炊き!?初めて聞きました。
中尾さん「美味しく炊けますよ(笑)柔らかく炊けますよ。ちょっと焦げもあって。」
ーーへ~、美味しそうですね。
中尾さん「茶碗に、こう、たくさん盛って、2杯、3杯は食べますよ(笑)」
ーー今度、試してみます(笑)
中尾さん「体質にもよりますが、玄米食はいいですよ。たくさん食べて、たくさん動けば太らないです。」
ーー良いこと聞きました(笑)玄米食しよう(笑)
中尾さん「お通じもよくなりますよ。玄米と、大豆の煮た物を食べれば、ガスも出てスッキリですよ。玄米と大豆とオリゴ糖なんかを食べれば、お腹の中に善玉菌が増えて、有害なガスも出ないし、お通じも良くなります。」
ーー女性はそうゆうお話しが好きですよ。皆、上辺の知識は知っていますが、どうしたらいいかは知らないのです。女性は、食事には行きつきますが、ちょっと高い物を買って、大丈夫みたいな。高いのを買ってみたけど、添加物まみれだったっていうのは、けっこうあるので。そうじゃないよっていうのがわかればいいですよね。
中尾さん「添加物や酸化しているのも多いですから。外国産のは、農薬が入っていたりしますから。海外の人には大丈夫でも、日本人には合わない事がありますね。」
ーーそうですね。海外の有名な人が食べているから、いいってわけじゃないですね。合う、合わないはありますね。
中尾さん「日本人に合う食生活じゃないと。高ければいいじゃないですよ。」
ーー本当ですね!
田んぼ周辺の環境について
ーーここ、霜が降りたり、凍ったりしますか?
中尾さん「凍りますよ。」
ーー今年は台風が多かったですけど、大丈夫でしたか?
中尾さん「そんな酷くはなかったですよ。」
ーーそれはよかったです。津山では、台風は当たらないですか?
中尾さん「そんな事はないですよ。ひろど風っていうのがありまして。」
ーーひろど風?
中尾さん「地域的な風ですけど、四国の南を通った時に、山脈から降りてくるんです。それが、酷い風ですよ。」
ーー風が酷いのですね。お米、倒れちゃいますね。
中尾さん「今年は注水期に丁度、雨が降りまして、それが影響して、収量が少なかったです。」
ーー今年の雨は、厄介でしたね。
中尾さん「豪雨の時は関係なかったんですけどね。うちの『ひのひかり』は9月の上旬に注水します。その時期に、大雨じゃないけど降られて。」
ーー雨、本当に多かったですね。
中尾さん「7月の豪雨からずっと晴れていましたが、一ヶ月くらい。大豆は、それでみんな焼けちゃって。」
ーー暑すぎてもダメですもんね。
中尾さん「暑すぎてもダメだし、雨が多くても湿気ちゃうし、それが難しいですね。本当は良く乾いて、水けがいい所に植えればいいですけど、そういう所には、稲を植えますから。」
ーーそうですね。田んぼから畑に切り替えた人は、水捌けとか、大変みたいです。
中尾さん「ここもそうですよ。もうちょっと行ったら、砂地です。」
ーーそうなんですか?
中尾さん「色んな所があるんです、うちは。」
ーーこれだけの近い距離でも、それだけ違うんですか。
美味しいよりも、安全が大事
ーーここら辺は田んぼに適していますか?
中尾さん「作業にもよりますが、ここは粘土質です。これがいい場合もあるし、砂地がいい場合もあります。砂地はすぐ乾くから、作業しやすいですよ。乾くから、稲刈りは簡単ですけど、その代わり、水の管理は難しいです。」
ーーなるほど。
中尾さん「本当にすぐ乾いてしまいますから。」
ーー色んな事を見極めながら作業するのですね。
中尾さん「ところ変われば、土も変わる。すぐ近くでも全然違くなります。作物の出来も違うし、作っている人も違う。」
ーーそうですね。違いますね。
中尾さん「だから、私が米を売るときは、美味しいよりも、安全だって売ります。美味しい、美味しくないは人によって違いますから。」
ーーおっしゃる通り、人によって違いますもんね。
中尾さん「美味しいも大事ですけどね。安全かどうかは、わからないですから。」
ーーなるほど。確かに、農薬たくさん使って美味しいよって言われても…。
中尾さん「作り方が安全で、色んな種類の養分が入っています。植物に近い環境で作れば、自然環境を崩さず、安全な作物が作れます。」
ーーなるほど。色々、勉強になりました。今日はありがとうございました(笑)
中尾さん「ありがとうございました。」