炭素循環農法は肥料が少なくて良い!静岡県浜松市で無農薬農家を営む馬淵さんを訪問

生産者インタビュー

今回ココノミスタッフが訪問させて頂いたのは、静岡県浜松市で無農薬農家を営む馬淵さんの農場です。炭素循環農法で作られた様々な野菜や果物を見せてもらいながら、農業をはじめたキッカケや、今後の野菜作りへの抱負をたっぷりと伺いました。

農業をはじめたキッカケは新聞の連載

ーー本日はよろしくお願いします。有機農法をはじめたキッカケを教えて頂けますか?

馬淵さん「今から30年前に、有吉佐和子さんの「複合汚染」が朝日新聞に連載されていて、農薬の複合汚染のことがすごく問題になってね。これはなんとかしなくちゃいかんと。世界を変えるのは農業だなと思ったんだよね。キッカケはそこだね。

で、農学部へ行ったんだけど、農学部は大学なんか何にも勉強するもの無いから辞めちゃったんだよね。その後イスラエルに行って、シルクロードでヒッピーやってたんだよ。そっちのほうが楽しかったんだよね(笑)」

ーーそれは思います(笑)お仕事は、何名くらい居たら円滑に回るのでしょうか?

馬淵さん「今は4反で1人か二人。バイトの子もいるね。チップ入れ作業のときだけ臨時で雇って4〜5人になるね。」

ーーそういった人材はどこで確保されてるんでしょうか?

馬淵さん「お客さんが多いね。去年メインで働いていた女の子たちは、二人とも元はお客さん。

お給料は高いとは言えないんだけど、野菜たくさんあげてるから、「こんな野菜いっぱい貰って、そのうえお給料まで」って言ってくれる子が多いかな(笑)」

ーーアルバイトの方には、野菜はどのくらい上げてるんですか?

馬淵さん「友達多い子には、ダンボール一杯きゅうりあげたりね。友達いない子だとストレスなるから多くはあげないけど(笑)だから、きゅうりは人にあげてばっかりで、全然出荷してないの。」

ーーもったいない…。

馬淵さん「きゅうりあげる人の名簿も持ってるよ(笑)でも、それがお金になったら嬉しいね。」

ーー有機から炭素循環農法(自然農法)に変えるキッカケは、なにかあったんでしょうか?

馬淵さん「有機農法やってたら、綺麗な野菜は採れてるだ。でも、畑はカチカチになってくだ。なんか違うんだな。それで、炭素循環農法を始めたんだ。

ところが、同じ話を土壌が砂質の畑でやってる人にしても、気持ちは伝わらないんだ。砂じゃわからんだよ。粘土質だとそうなる。肥料のやり方とかも全然違うからね、土壌によって。

砂っていうのは漏れちゃうから、水はけも良いだよ。肥料も漏れちゃうだよ。それに対して粘土質は抜けにくくて水はけが悪いから、肥料も少なくて良いだよ。」

人間は「米」に使われている?!

馬淵さん「ニガウリって、普通緑じゃん。これ赤でしょ。」

ーー本当だ、赤ですね。緑のものしか見たことなかったです。

馬淵さん「現場だとほとんどが赤なんだよね。じゃあ、なんで緑が赤になるんだろう?」

ーーなんでですかね…?ピーマンとかもそうですよね。

馬淵さん「ピーマンもそうだし、みかんもそうだね。それは食べ物になるからなんだよね。人間の食べ物じゃなくて、虫の食べ物ね。」

ーーへぇ〜!そうなんですね。

馬淵さん「だからみかんも、青いのは酸っぱくて、赤いのはおいしいら。ピーマンも実はそうなんだよね。なんでわかるかっていうと、鳥がきてピーマンつっつくと、赤いのしか食べてないから。

熟して色がつくってことは、「俺はここに居る!」って植物が我々に喋りかけてきてるわけ。で、緑のおときは「俺は居ない」って言ってるわけ。ちょっと、ニガウリの種ひろって食べてごらん。」

ーーこれですか?……甘い!めちゃくちゃ甘いです!

馬淵さん「そうだら?ニガウリなのに甘いんだよ(笑)

こうやって美味しくなってたくさん食べられたほうが、種が移動できるじゃん。で、植物が神様から受けた命令って?」

ーーどんどん子孫を増やす…?

馬淵さん「そうだら?子孫を増やす、地球制覇だら?全部ニガウリになりゃいいだら?(笑)」

ーーたしかに、彼らはそう思ってるんでしょうね(笑)

馬淵さん「でも世界にはバランスがあるから、食べる食べられるって行為でバランスをとってる。だから、肉食動物が草食動物を食べるのもバランスを取るため。でも、人間が出てくるとそのバランスが全部狂う。」

ーーまあ確かにそうかもしれないですね…。

馬淵さん「米や麦は、人間を利用して世界を制覇したんだ。品種改良とかまで、彼らが人間を利用して、自分たちの種を繁栄さえるために利用したんだ。だから、今までは人間が米を作ってたと思ってたけど、実は違う。米が人間を使って作らせてる。

小麦も中近東のただの草だったけど、食べられることによって地球を制覇したわけ。米も人間に品種改良されることで、どこでも栽培できるようになったの。」

ーーそれは新たな視点です!植物は賢いですね(笑)

馬淵さん「視点を変えることで、新しいものが見えてくるって話だな。人間側からじゃなくて、米や麦側から人間を見てみると、見えなかったものが見えてくる。」

ーーなるほど、すごい(笑)

馬淵さん「自然農法で作った里芋を、今年収穫しないと、来年どうなるか?」

ーーまたどんどんできちゃう?

馬淵さん「できない。小さくなる。なんでかっていうと、数が多すぎて、栄養が行き渡らないからでかくなれないんだな。人間に収穫されないと里芋は命が続かねえだよ。だから、里芋が人間を使ってるんだな。だから、野菜と人間の共同作業で、お互いが豊かになってるんだよ。人間がいて、作物が大きくなるんだよ。」

ーーなるほど…。考え方が変わりました(笑)

ヘチマ、キンコウリ、ナス、柿

馬淵さん「これ、なんだかわかるか?」

ーーかぼちゃ?

馬淵さん「違う、ヘチマだ。」

ーーヘチマですか(笑)へぇ〜!

馬淵さん「ヘチマ作ってるやつなんていねえら?」

ーー居ないです。宮崎の方で、1名食用ヘチマを栽培されてる方はいました。

馬淵さん「ヘチマは全部食用だよ(笑)若いときに摂ると食べれるだ。大きくなるとタワシになる。」

ーーそんな違いだったんですね!

馬淵さん「これがキンコウリ。」

ーー初めて聞きました。

馬淵さん「まあメロンの一種だな。これがナス。」

ーーいっぱいなってますね、美味しそう!

馬淵さん「美味しそうか…やっぱり人間中心だな(笑)」

ーーどうしてもそうなっちゃいますね(笑)あ、柿もあるんですか?

馬淵さん「これが柿だな。地面に柿がボトボト落ちてるけど、これが全部ついてたらさっきの里芋と一緒で、大きく育たなくなるんだ。だから、台風が間引いて、大きい柿を作ってる。裏年と表年ってあるだよ。裏年は全然実がつかんから大きくなる、表年はいっぱいできるから小さくなるだよ。」

ーーなるほど。勉強になります!

とっても甘いイチジク

馬淵さん「イチジクって食べたことある?」

ーーあるんですけど、アタリを食べたことはないです(笑)

馬淵さん「はい、アタリあげる(笑)」

ーーいいんですか?頂きます。……甘い!こんなにイチジクって甘いんですか?!

馬淵さん「今スーパーとかで売ってるのは、大きくして味が薄くなっちゃてるの。で、完熟する前の未熟なまま売っちゃう。」

ーーこの前買ったの、真っ赤なのに全然おいしくないんですよ(笑)甘くて本当にびっくりしました!

馬淵さん「なんでこんなに甘いかって言うと、僕は完熟してから売ってるから。だから危険なんだよね、すぐ腐っちゃうから。だから直接販売しかしてないの。でもお客さんはえらい喜ぶよ。」

ーーそうですよね、こんなに甘いのは絶対ないです!食べたことないです!

馬淵さん「これ肥料全然入れてないんだよ。じゃあ何入れてるかって言うと、木のチップ。」

ーーそれだけでこんなに甘くなるんですね。

馬淵さん「それだけ、だからだよ。だからここは畑じゃなくて山になってるだよ。落ち葉が落ちて山に木が生えてる環境を作っただよ。」

ーー素晴らしいですね。

今後の展望

ーー農家さんとの横のつながりはあるのでしょうか?

馬淵さん「あるけど、あんまり農家同士の集まりとかは出たくないな。浮いちゃうから(笑)」

ーー馬淵さんは、今後ご自身の農園をどうしていきたいとかありますか?

馬淵さん「まあ、持続だよね。それで、俺ひとりが良くなるんじゃなくて、一緒に働いている人と良くなるというか。そうすると、間口が3人、4人と広がるじゃん。で、畑を一緒に使ってみんなが仲良くなったり、人間を修行するというか、幸せになるというか。地球なんか変えんでも、今いるところが楽しければいいよね。で、あとはお客さんが喜んでくれたらいいよね。」

ーー本日はどうもありがとうございました。

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