兵庫県丹波市で「有機農業を科学する」小村さんを再訪問

生産者インタビュー

兵庫県丹波市の小村さんの農園を再訪問

今回スタッフがお邪魔したのは、2016年10月からの再訪問となる兵庫県丹波市の小村さんの農園です。

※前回の記事はコチラ

兵庫県の東部に位置する丹波市は、人口約6万5千人。自然が豊かでキャンプ場やテニスコートなど人が集まる施設も多くあるのが特徴です。

農園がある土地は標高が低い盆地で、ちょうど日本海の水と太平洋の水の分水地点にあたります。そのため寒暖差が激しいですが、そのぶん野菜は美味しくなるそうです。

「丹波市で育たない野菜はない」と言われるほど、野菜づくりには適した土地とのことです。

 

微生物の力を借りた土づくり

 

畑の土壌は粘土質で、慣行農法の畑を借り、一旦休ませて農薬を抜いた土地を使用する徹底ぶり。

微生物たちの力で3年かけると、しっかり野菜つくりを行える土に変わるのだそうです。「土はちゃんと応えてくれる」という小村さんの言葉が印象的でした。

畑の水はミネラルが豊富な山水。

畑の周りをモグラが掘りそこから水が入ってくるなどの被害もあるとのことですが、その点も踏まえて水の量の調節をしながら野菜を育てられていました。

 

肥料には竹チップを使用

 

小村さんの畑では、基本的に有機JAS肥料のみ使用し、他の農薬や除草剤は使っていません。

また、肥料として最近取り入れているのが竹チップ。

竹チップは不要になるものを肥料にするアイデアで、丹波の人たちが集まる集会で知り合った竹を整備する方とのコラボレーションで生まれたそうです。

炭水化物と繊維が豊富な竹は、堆肥と同じ役割を果すのだとか。小村さんの畑で使用し始めて1年になりますが、土の質はさらによくなったそうです。

現在は竹チップの使用を周囲の農家さんたちに勧めるなど、竹チップを肥料にした栽培をさらに広げるために努力されているそうです。

竹チップの他にも、コンパニオンプランツでの栽培にもチャレンジするなど、おいしい野菜を作るためにできることはなんでもやっているようでした。

※コンパニオンプランツとは、例えばルッコラ(アブラナ科)と春菊(キク科)を一緒に育てることにより、それぞれの野菜を好む虫が喧嘩をするため、虫がつきにくくなる栽培手法です。

収穫の手間はかかりますが、植物の力で虫の対策ができるのが特徴です。他の例としては、バジルとトマト、ニラとトマトなどがあります。

 

小村さんの畑で採れるオススメ野菜

 

小村さんの畑で採れる自慢の野菜を聞いてみると、まずはじめに紹介されたのがトマト。トマトは割れにくいトマトを育てているそうです。

次にルッコラ。ルッコラは卸先のイタリアンレストランでも好評なんだとか。また、これからの季節は人参を栽培するそうで、現在は準備中でした。
 

おいしい野菜作りへの尽きない情熱

 

ほぼ年中無休で野菜作りをされている小村さんですが、週に一度、梅田で開催されている「うめききマルシェ」に出品されています。

その理由は、おいしい野菜を育てるだけではなく、お客様に直接「なにが美味しかったか」、「どう美味しかったか」などの感想を聞ける機会を大切にしたいからなのだそうです。

そんな小村さんのおいしい野菜作りへの情熱を見ていると、野菜が大好きで、野菜をわが子のように育てているからだと感じずにはいられませんでした。

小村さんの作るおいしい野菜に再び会うことを約束して、この日は農園を失礼しました。

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